「値段」という言葉から覚える湯桶読みと重箱読みの違い
日本語には、漢字の読み方に関するルールがあります。
特に漢字の「音読み」と「訓読み」を覚えなければ、文献を読むことが難しくなります。
ここでは、小中学生の国語で学ぶ読み方のルールについて紹介します。
「値段」という言葉から学ぶ、湯桶読みと重箱読みの例について取り上げます。
国語の勉強を今一度おさらいしてみませんか?
「音読み」「訓読み」とは
音読みと訓読みの違いを知ることで、漢字の読み方がスムーズになることがあります。
「音読み」とは、中国古来の発音をもとにした読み方です。
その音だけを聞いただけでは意味が通らないものが多いです。
値段の「段」のように、読み方がひとつしかない場合は、音読みと判断可能です。
一方「訓読み」は日本語の読みで、漢字の意味を表しています。
その音を聞いただけで、漢字をイメージしたり意味が通じたりできるメリットがあります。
送り仮名がつく場合は、訓読みと判断できます。
辞書では音読みをカタカナで、訓読みをひらがなで表記します。
「値段(ねだん)」という言葉について、どのような読みをするのかを示しました。
「値」…【訓読み】ね、あたい 【音読み】チ
「段」…【訓読み】(なし) 【音読み】ダン
値段という言葉は、「訓読み」+「音読み」の組み合わせとなります。
スポンサーリンク音読み・訓読みと熟語について
漢字を二つ以上組み合わせて意味を持たせた言葉を「熟語」といいます。
値段や価格、春夏秋冬などという言葉は、すべて熟語です。
先ほど、「値段という熟語は訓読み+音読みの組み合わせ」と記しましたが、読み方の組み合わせの点ではルールが存在します。
漢字の熟語づくりのルールとして「音読み同士」「訓読み同士」の漢字を組み合わせて読ませることが一般的です。
例えば、「価格(かかく)」は音読み同士の組み合わせです。
「牧場」という言葉の場合、音読み同士では「ボク-ジョウ」、訓読み同士では「まき-ば」と読ませることができ、それぞれ意味が異なる熟語になります。
では、「値段(ね-だん)」について考えていきましょう。
「値」…【訓読み】ね
「段」…【音読み】ダン
値段という言葉は、先に挙げた「音読み同士」「訓読み同士」のセオリーにあてはまらないケースとなります。
値段のように音読みと訓読みなどを入り混ぜて作られた熟語は、「重箱読み」や「湯桶読み」といいます。
重箱読み・湯桶読みとは
「重箱(じゅうばこ)」の場合、「重(ジュウ)」は音読み、「箱(はこ)」は訓読みです。
このように、音読みと訓読みの順番で作られた熟語は、「重箱読み」といいます。
重箱読みの代表的な例として、「絵筆(エ-ふで)」や、「円高(エン-だか)」などがあげられます。
「湯桶(ゆとう)」の場合「湯(ゆ)」は訓読み、「桶(トウ)」は音読みです。
訓読みと音読みの順番で作られた熟語は「湯桶読み」といいます。
「値段(ね-ダン)」は湯桶読みの代表例です。湯桶読みの例として、「相性(あい-ショウ)」や、「手相(て-ソウ)」などがあげられます。
ここでお気づきの通り、熟語には4つのパターンがあります。
「音読み+音読み」
「訓読み+訓読み」
「音読み+訓読み(重箱読み)」
「訓読み+音読み(湯桶読み)」
受験では、重箱読みや湯桶読みといった言葉の意味や、例題となる熟語の組み合わせについて、重箱読みもしくは湯桶読みにあてはまるかと出題されることがあります。
漢字そのものの読み方や、意味が分かれば「音読みと訓読みの組み合わせは重箱読みである」といった答えを導けます。
高校受験や中学受験などで出題されることも考えられます。
日常的に熟語を確認する場合は、それぞれの読み方が音読みか訓読みか、重箱読みや湯桶読みにあてはまるかといったところまでチェックしておくと強みになります。
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