国によってパスポートの大きさは違うのか?
わたしたちにおなじみのパスポート、日本人ならみな同じ大きさのものを使っているわけですが、国際的に見てこの大きさは平均的なのでしょうか?
国ごとに大きさは異なるのでしょうか?
パスポートの変遷
パスポートの大きさはB7(ISOサイズ。日本のJISとは異なります)、つまり縦12.5センチ、横8.8センチです。
現在でこそ当たり前のように使われていますが、このサイズになったはそれほど古いことではなく1992年のことです。
ですから40代半ば以上の中には現在とは異なる大きさのパスポートを使った記憶がある人もいるはず。
昔のパスポートを持っているという方も。
2020年にパスポートのデザインが変更されたように、パスポートはこれまで何度かマイナーチェンジが行われてきました。
1992年の大きさの変更に次いで大きな変化となったのが2006年のICチップの導入です。
これによってますます便利に利用できるようになりました。
現在では、この大きさの中に偽造の防止やICチップに含まれている情報の不正読み取りを防ぐための技術が導入されており、より安全に利用できる面も持ち合わせています。
大きさが変更された経緯について
この1992年にパスポートの大きさが変更された大きな理由は、機械読み取り式が導入されたことです。
これによってチェックが簡便になった一方、機械がスムーズに読み込めるために相応しいサイズが求められるようになったのです。
直接的な経緯としては、国際民間航空機関の勧告を受けたうえで変更が行われた形となっています。
スポンサーリンク国ごとのサイズの事情
こうした経緯があるわけですから、国ごとにパスポートのサイズがまちまちでは機械読み取りが機能しません。
なので、国ごとにサイズが大きく異なるということはありません。
世界中のどの国から訪れた人でも問題なく機会で読み取れるよう、国際的なパスポートの規格が存在しているのです。
ですから国によってサイズが違うのか?という問いがされたときには「みんな同じ規格で作られている」という答えになるでしょう。
サイズだけではありません。
身分事項のページに貼り付けられる写真の位置や機械で読み取る情報が掲載されている位置なども、ほぼ共通しています。
これもやはりそうしないと機械でスムーズに読み取ることができないからです。
ただしこの規格にはほんのわずかながら「遊び」が用意されており、1.5ミリメートルほどの違いが認められています。
ほんの僅かな違いなので気づかないことがほとんどですが、パッと見た時に「この国のパスポートは日本よりも大きい/小さいんじゃないか」と感じた場合には、この遊びが原因かもしれません。
国ごとにサイズが違うように感じる理由としては、それよりもデザインの影響が大きいかもしれません。
視覚効果で大きく感じるものもあればコンパクトに感じるものもあります。
また貼り付ける写真のサイズが国ごとに若干の違いがあるため、その効果でパスポートが大きく見えたり小さく見えたるすることもあるようです。
とくにデザインに関しては国ごとにかなりユニークなものになっており、無難にまとめた印象がある日本に比べて、かなりカラフルなデザインになっているものも少なくありません。
それが国ごとの大きさの印象の違いにも結び付いているのかもしれません。
もし海外のパスポートを見る機会があったときには、自分のパスポートと重ねて大きさを確認してみるとよいでしょう。
ほとんど差がないことを確認できるはずです。
ですからパスポートのケースなどはどの国で発行されたパスポートでも流用できます。
海外の友人に日本の可愛いデザインのカバーをプレゼントしてみるのもよいかもしれません。
1992年のサイズの変更は、海外渡航者が増えた日本が本当の意味で国際基準の仲間入りを果たしたことを意味しているのかもしれません。
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