パスポートの大きさは昔に比べて変わったのか?

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パスポートはこれまでの歴史の中でデザインが変更されています。

 

現在ではサイズも仕様も非常に優れており、「世界でもっとも優れたパスポート」ともいわれています。

パスポートの歴史をたどる

海外旅行に欠かせないパスポート、となれば海外旅行の歴史の分だけパスポートの歴史があるといっても過言ではありません。

 

その過程の中で大きさはもちろん、デザインなどが変わったことも多く、それだけでも興味深い歴史になります。

 

パスポートの歴史は近代化の歴史とも深くかかわっており、日本で始めてパスポートが発行されたのは1866年、江戸時代の長い鎖国が終わり、日本人が海外に訪れる機会が出てきた時期です。

 

当時のパスポートは現在の冊子のイメージではなく、大きさも多く折りたたむ証明書のような体裁をとっていました。

 

実物を見ると時代の流れとともにずいぶんと変わった印象を持つ方も多いはずです。

 

最大の違いは、当時は写真を使われていなかったこと。

 

ではどうやって本人と確認することができたのでしょうか。

 

今となっては信じられませんが、当時のパスポートには年齢に加えて背丈や目・鼻・口の特徴が文字で掲載されていました。

 

これで本人であることを確認したわけです。

 

そんなパスポートの歴史が現在のイメージに近くなったのは戦後、とくに東京オリンピックが開催された1964年以降と言われています。

 

この時期から日本人が海外に赴く機会が多くなり、日本人による海外観光渡航も自由化されたことで、ビジネス目的だけにとどまらず、観光目的のパスポートが発行されるようになったのです。

 

この時期のパスポートはデザインはもちろん、大きさも現在とは異なっていました。

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もうひとつの大きな転機となったのが1992年。

 

この年に大きさが原稿の縦12.5センチ、横8.8センチ、つまりB7の大きさに変わったのです。

 

これは国際民間航空機関の勧告を受けたうえで、これまでの大きさよりもより国際的に使用するものとして適したものにするために変わったものでした。

 

この1992年の変更以降は現在までパスポートの大きさは変わったことはありませんが、2006年にICチップが導入され、より便利に、海外渡航の際によりスムーズに利用できるようになりました。

 

ICチップが搭載されたことでパスポートを折り曲げたりすることができなくなったため、取り扱いには少々注意が必要です。

 

その点1992年に変わった現行の大きさは、ポケットに入れるにもほどよい感じで不便を感じないメリットもあります。

 

これが現在まで変わることなく使われ続けている理由でしょう。

 

なおデザインに関しては2020年2月に大幅に変わったことが話題になりました。

 

東京オリンピックの開催に合わせてのもので、日本を代表する画家、葛飾北斎の代表作「冨嶽三十六景」が採用されました。

サイズは変わらず、マイナーチェンジが続く

そもそも1992年に大きさが変わった理由は、国際基準に合わせることを目的としていました。

 

またICチップを導入して以降も、この大きさで不便を感じる意見もなく、そろそろ変わった方がいいんじゃないか?という意見もありません。

 

そう考えると今後大きさが変更されることはなく、新技術の導入やデザインの変更といったマイナーチェンジが行われ続けることが予想されます。

 

使い勝手がよく、デザイン面の洗練が続いている、しかもとくに奇妙で変わったところもなくオーソドックスな面も持ち合わせている。

 

改めて日本のパスポートは優れていると言えるでしょう。

 

なお、パスポートに使用されている用紙には紙幣と同様に国立印刷局の特殊技術が採用されており、偽造が非常に難しい作りになっているそうです。

 

2020年のデザイン変更によってICチップの情報の不正読み取り機能も充実しており、サイズも含めた使いやすさだけでなく安心して利用できるつくりになっている点も見逃せないでしょう。

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