手形の割引に保証債務費用がかかる理由は？

手形を期日より前に引き落としする際には、手形の割引で保証債務や保証債務費用が発生します。

ある程度手数料がかかるのは分かりますが、どうして保証債務費用がかかるのか、その理由はこちらがあげられます。

手形は基本的に記入されている支払期日になれば銀行から記載金額をもらえるシステムですが、手形の割引システムを使えば、支払期日よりも早く現金化することが可能です。

こちらはその名の通り、記入されている金額から保証債務費用などを天引きし、手形の割引をされた上で費用が支払われます。

多少記載金額より損をしてしまっても良いから、どうしても期日よりも早くお金が欲しいという方を救済する理由で設けられていますが、多少手数料がかかるのはまだしも、どうして保証債務費用がかかるのか、疑問に思う方も多いでしょう。

こちらの保証債務費用は支払先ではなく、銀行側を救済する理由で設けられています。

銀行側を救う目的としても設けられている保証債務費用ですが、そもそも何故、手形の割引の保証債務費用を手形をもらった側が負担しないといけないのか。

このような疑問を持つ方も多いでしょう。

例えばですが、銀行利用者のほとんどが現金支払ではなく手形支払を利用している場合に、手形の割引を利用して引き出されたにも関わらず手形発行者が全て倒産してしまったら、元の費用を回収することができず、支払は全て銀行負担となります。

金額によっては銀行が倒産するような大変な事態に繋がる場合もあるため、銀行を救済する理由で手形の割引に保証債務費用が設けられているのです。

万が一手形の発行主が何らかの理由で支払ができなくなった場合、銀行が一手に負担を担うのではなく、最悪手形をもらった側にも多少は負担をしてもらう事を目的に、手形の割引の保証債務費用は設けられています。

現金取引とは違い手形はあくまで信用取引だからこそ、こうした措置が必要となるのです。

手形は便利に使えるアイテムではありますが、あくまで有価証券ですので下手をすると特に理由も無くただの紙切れになってしまうケースも少なくありません。

手形取引は信用のおける相手に留めておくことはもちろん、万が一の際には手形の割引を使ってでも早めに引き出せるように準備をしておいた方が安心です。

手形の割引はある程度お金がかかってしまいますが、その分自身を守ることに繋がるケースも少なくありません。

手形取引は信用のおける相手に留めておき、負担を最低限に留めるようにしましょう。