「謹呈いたします」というのは表現として適切?

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目上の人へのかしこまった手紙やビジネス文書などではしばしば謙遜の表現として、「謹呈いたします」という表現を使うことがありますが、果たして、日本語の表現として適切なのでしょうか。

 

「謹呈いたします」という表現を細かく分析するとともに、より適切な表現について詳しく解説していきます。

表現としては適切!「謹呈いたします」の本来の意味

答えから先にお伝えすると、「謹呈いたします」というのは目上の相手に対して用いる謙遜表現としては適切であるとされています。

 

謹呈、というのは「謹んで進呈します」という意味であり、「謹」という文字そのものに謙遜の意味が込められているため、謙譲表現として用いるのであれば適切であると考えられます。

 

具体的な文例としては、「この度は書籍をこのように謹呈いたします」などのように手紙の最後に書き添えるのが適切であると言えますので、ひとつのテンプレートとしてぜひともおさえておきましょう。

不適切な表現は?敬語の意外なNG集

謙譲表現としての「謹呈いたします」という言い方は日本語として適切ですが、同じ言い方であってもたとえば相手側の行為に対して用いた場合、日本語としては不適切であると判断されます。

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仮に、「先生に謹呈いただいた御本」などと使った場合、日本語としては目上の相手の立場のほうを低めてしまっていることになり、敬語の基本マナーから考えても不適切であると言わざるを得ません。

 

尊敬語と混同しやすい謙譲語としては、「どういたしましたか?」、「そちらが申されましたように」、「いつ頃こちらに参られますか?」などの言い方があり、いずれも目上の相手に対してはマナー違反になると考えられます。

 

反対に、謙譲語と混同しやすい尊敬語としては「召し上がる」などがあり、「謹呈いたします」と同様に誤用の多い言い方として意外と広まっていますので、不適切であると見なされないように充分に注意しましょう。

 

「謹呈いたします」というのは謙譲語ですから、自分の行為に対して「謹呈いたします」と使うのがマナーであると言えます。

 

最近では尊敬語と謙譲語の境界線があいまいになり、知らず知らずのうちに不適切な敬語を使って先方を不愉快にしてしまっていることもありますので、社会人としてつねに日本語や敬語の知識を逐一アップデートしておきましょう。

 

マナーに慣れないうちは、目上の相手に対して手紙や礼状を際、一度先輩などに文面をチェックしてもらうことがおすすめです。

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