年数?目的?博士課程の前期と後期の違いとは

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博士課程のシステムについては、意外と知られていないのではないでしょうか。

 

特に、博士課程の前期と後期の違いがよく分からない、修士課程とは違うのか、前期と後期は各何年ずつか、と疑問に思っている人もいるでしょう。

 

例えば、大学入試の前期日程・後期日程、または、学部でいう前期の単位・後期の単位…などは比較的耳馴染みがありますし、違いを説明できる人は多いでしょう。

 

でも、博士課程の前期と後期の違いとなればどうでしょう。

 

博士課程経験者以外には、前期と後期の違いについて明確に説明することができないかもしれません。

 

しかし、大学院進学を考えている人にとっては、当然、前期と後期の違いはきちんと説明できるようにしておかなければならないポイントです。

博士課程における前期と後期の違い

4年生学部卒業後、大学院へ進学することを決めたとします。

 

現在の日本の大学院では、前期2年・後期3年、トータル5年の区分制博士課程が主流となっています。

 

では、修士はどこに位置するのかというと、実は、修士課程は博士課程に進学してからの前半の2年間に該当します。

 

ですから、一言でいうと、博士課程前期=修士課程となるのです。

 

ただ呼び方が違うだけで、実態は同じなのです。

 

つまり、博士課程自体は合計で5年間あり、前半2年間は修士課程も兼ねている、といえばわかりやすいかもしれません。

 

そして、後半3年間を博士課程後期、あるいは単に、博士課程と呼ぶのです。

 

これが前期と後期の違いです。

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前期と後期の違い〜それぞれ何を学ぶのか

では、前期と後期それぞれ何を学ぶのでしょうか。

 

話はまた少し遡りますが、大学の4年間で、学生は座学で「すでに知られていること」を教授から学びます。

 

そして、4年次ではゼミに参加して、卒業研究やフィールドワークを行います。

 

「もっとこの研究を深めたい」と思った人は大学院進学を選択します。

 

学部では「知られていることを学ぶ」のが目的だと述べましたが、博士課程前期、つまり修士課程(修業年限2年)では、「まだ世に知られていないことを見つけ出す」ための研究をするのが目的です。

 

懸命に研究に励み、2年目で修士論文を書き上げ、見事パスすれば修士号をもらい、無事卒業となります。

 

ですが、研究とはなかなか奥深いものです。

 

「修士の2年間では足りない」「もっともっと研究を深めて一人前の研究者になりたい」と思う人は修了を選ばす、大学院に残る道を選ぶのです。

 

博士課程後期では、自身の研究活動に後輩を何人かつけて、彼らを指導しながら研究を進めるので指導力が自然と身に付きますし、研究室の機材を使って研究を進めるため、管理力も身に付きます。

 

このように、前期と後期のトータル5年を通して、研究を計画・実践・発表するという一連の能力を身につけ、研究者としての素質を養っていく課程となっています。

前期で修了か、後期に進学か、先を見据えた決断を

実は、この博士課程の前期と後期の違いについては、教育の分野でもたびたび議題に上がるトピックなのです。

 

「修士課程での教育目的と博士課程前期の教育目的の区別があいまい」というのがその理由です。

 

それほど両者は混同されがちなのです。

 

先述したように、博士課程は3年間ですが、実際は3年で卒業することはかなり難しいのが現状です。

 

5年6年と在籍して研究を続けるのが常態化しており、学生のその後の就職活動にも影響を及ぼしています。

 

博士課程前期を終え、修士号をもらったらすぐに就職活動を始めるのか、それとも後期に進んで、自分のやりたい研究を突き詰めて、博士論文を仕上げて研究者を目指すのか、前期と後期の違いを踏まえて、しっかりと自身の将来を見据えたうえで決断した方がよさそうです。

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