文系で博士号を取得するのは難しい?

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大学生の時に文系の学部で学んで、大学院に進学し博士号を取得したいと考える方は少なくありません。

 

しかし、一般的に文系で博士号を取得することは難しいといわれています。

 

実際に、文系で博士課程の修学期間内に博士号を取得できる割合は、理系の1/3ほどです。

 

なぜ文系は理系よりも難しいのでしょうか?

 

そこで、文系の博士号取得までの流れや難しいことの原因などについて解説します。

文系は博士号取得までにどんなことをするのか?

博士号を取得するために最も重要であるといえるのが、論文です。

 

博士号を取得するには、「査読付き論文」を2本提出しなければいけない大学が多いです。

 

この査読付き論文というのは、審査を突破して学術誌に掲載されたもののことです。

 

そのため、学術誌に掲載されていないものは提出できません。

 

ただし、学術誌に掲載されるかされないかの基準は明確ではありません。

 

研究内容や掲載される雑誌によって異なるためです。

 

しかし一般的には、「新規性」「有効性」「信頼性」「了解性」が重要であるといわれています。

 

新規性とは、論文の内容が新しくて独自性があること。

 

有効性とは、その論文が研究分野で役立つものであること。

 

信頼性とは、論文が信頼できるものであること。

 

そして了解性とは、論文が分かりやすいかどうかです。

 

これらのポイントを全ておさえた論文を執筆することは難しいことでしょう。

 

そして文系の場合、研究対象は人間の活動であることが多いです。

 

それゆえ、文系が大学院で行うことはフィールドワークや論文の読み込みなどが基本となります。

 

このフィールドワークは難しいのでうまくいかないことも多いのです。

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文系の博士号取得が難しい理由

文系の学部で博士号を取ることが難しい理由は、明確には分かりません。

 

しかし、昔からの意識や文化が強く影響しているのではないかと考えられています。

 

そもそも学位というのは、大学が認定するものではありませんでした。

 

大正時代に改正学位令という法令が施行されるまで、学位を認定していたのは「博士会」という組織だったのです。

 

そして博士会では多数決が行われ、博士会に入ってもよいとされる人物だけに学位が与えられたのです。

 

よって個人的に気に入らない人物には学位を与えない、ということも行われていました。

 

もちろん現在では、博士会で多数決で学位認定が行われることはありません。

 

しかし、学会で高い功績を残した人物だけが博士号を取得できるという意識は残っているといわれています。

 

よって、ただ研究を行うだけではなく、特に優れた研究や論文が求められているのでしょう。

 

審査を行う教授たちと同じレベルの論文を提出することが求められるため難しいのです。

 

理系分野では「自立してしっかりと研究ができる」ことの証明として博士号が与えられるという基準があるので、文系のほうが難しいことが分かります。

 

さらに、博士号が与えられるかどうかの判断基準が論文のみであるということも、難しい原因だと考えられます。

 

大学院では授業を受けるというよりも、研究指導を受けて論文を完成させていくことが重視されます。

 

3年間博士課程でどれだけ頑張って学んでも、論文が認められなければ学位が取得できないのです。

博士号が取得できなかったらどうなる?

博士号が取れなかった場合は一般的に、「単位取得満期退学」となります。

 

これは、博士課程で必要な学習を修了し必要な単位は取得したが、最終の論文審査に合格できなかった、論文が完成しなかった場合の名称です。

 

ただし、ここで諦めるしかないわけではありません。

 

単位を取得して退学した後、大学院に博士論文を提出して審査に合格した場合は、「論文博士」として扱われます。

 

文系での博士号取得は難しいですが、諦めずに研究を続けましょう。

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