博士課程を2年で修了するのは可能?
大学は4年間ですが、大学院は何年間か知っていますか?
大学院といっても、実は修士課程と博士課程の2つの課程に分かれています。
その内訳はどうなっているのか?といった基本的なことから、一体何年で修了できるのか?修了要件は何か?博士課程は2年で修了が可能か?など、博士課程の修了要件についてまとめました。
大学院には「修士」「博士」2つの学位がある
大学院は修士課程と博士課程の2つの課程に分かれていて、大学院進学後、まずは修士課程で学びます。
この修士課程は「博士課程前期」とも呼ばれ、博士課程に進む前段階の課程という位置づけになり、基本は2年で修了です。
必要単位を取得し、試験に合格すれば「修士」の学位が与えられます。
「修士」は4年制の「学士」よりも専門分野に対する深い知識を持ち、高度な専門性が必要とされる職業に就くことができる人材であると認められた証でもあります。
修士課程を2年で修了して、まだ研究を続けたいという人は博士課程に進みます。
「博士課程後期」とも呼び、標準修了年限は3年です。
「博士」として認められるには2パターンあります。
一つは必要単位をすべて取得し、試験もパスして修了した「課程博士」です。
もう一つは、優れた論文を提出し、審査をクリアした「論文博士」です。
「博士」は学位の中で一番高く、将来、研究者や大学教授を目指す人のことを指します。
つまり、「修士」は2年で修了、「博士」は3年で修了、計算上は合計5年で修了することができます。
ただし、医学部や薬学部などは博士課程がもっと長く設定されていることもあります。
スポンサーリンク博士課程は2年で修了できる?
もっとも、これは計算上の話で、実際はそんなに甘くありません。
先ほど「課程博士」の話をしましたが、その場合、必須単位は少なく設定されているため、難しいものではありません。
となると、問題は「論文博士」です。
そもそも博士課程は、自身の研究を突き詰め、論文という形として結果を残し、世に広く認めさせるのが目的です。
そのために、学生は何年も研究に力を注いでいます。
実際、論文が通れば、3年を待たずに中退する学生もいるくらいです。
ですから、博士論文を通しさえすれば、博士課程を2年で修了するのも不可能ではありません。
博士論文が認められる要件とは
「論文博士」になる要件、それは国内学会へ査読付き論文を提出し、掲載されることです。
ほかには、国際学会で発表される論文を出さないといけないとか、英語論文も必要であるとか、また、論文の掲載本数なども大学によってまちまちですが、最大の要件はやはり査読付き論文でしょう。
大学院修了後の就職を考えた場合、できるだけ早く、2年で修了できるなら修了したいと考える人は多いでしょう。
しかし、査読付き論文は、学内で論文を完成させてから論文掲載に至るまでに、1〜2年という長い月日がかかります。
研究内容によっては査読者がなかなかおらず、8年かかった例もあるようです。
そう考えると、2年で修了するのはやはり無理に思えてきます。
文系も理系も博士課程が厳しいことは同じですが、文系では修業年限内での博士号の取得率が理系よりかなり低くなるというデータがあります。
もちろん、早々に素晴らしい論文を書き、査読もスムーズに進み、見事学会で発表される可能性はゼロではありません。
ですが、博士課程に関しては、2年で修了するのはやはり難しいと言わざるを得ないでしょう。
博士課程の修了には、研究への飽くなき情熱と日々の努力が必要なのは言うまでもありませんが、研究に没頭できる環境、具体的には経済力も大切でしょう。
そして、2年で修了を目指すのではあれば、論文の審査がスムーズに進むような「運」に恵まれることも必要かもしれません。
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