住所を尋ねるとき「ご住所」と「おところ」、どちらが丁寧?
ビジネスシーンで使われる言葉はたくさんありますが、その中でも「住所」は、相手の基本的な情報を得る際によく使われる言葉です。
今回は、相手の住所を聞く時にどのような敬語を使うべきかという問題を考えてみます。
住所の敬語は「ご住所」?「おところ」?
住所の敬語は、「ご住所」です。
また住所と同じ意味をもつ言葉として、「住まい」や「ところ」が使われる場合もあり、これを敬語で表現すると「お住まい」「おところ」となります。
どの言葉も、住所を尋ねる際の敬語として正しい表現です。
しかし現代社会のビジネスシーンに限定した場合、「ご住所」が使われるのが一般的です。
なぜなら、ビジネスでは「漢語」が使われることが多いからです。
日本語には、和語と漢語があり、和語とは古くから日本で使われていた言葉で、漢字の訓読みに該当します。
漢語とは、中国から伝わった言葉が日本語に溶け込んだものです。
漢字の音読みが漢語にあたります。
和語は、柔らかな印象があり、気持ちを伝えやすい特徴があります。
これに対して漢語は固い印象があり、論理的に説明しやすいのが特徴です。
また、和語は表現が長くなりがちで、漢語は短い文章で端的に意味を伝えることができるという違いがあります。
たとえば、「一旦停止」は漢語ですが、これを和語で表現すると「少しの間、止まって下さい」になります。
漢語の方が短い言葉で伝えやすいので、ビジネスでは誤解を避けるために、漢語表現が使われる傾向があります。
したがって、住んでいる場所を尋ねるシーンでは、「お住まい」や「おところ」ではなく、「ご住所」が使われることが多いのです。
しかし、文書ではなく会話の場合は、柔らかい和語の方が好印象の場合もあります。
会話中に住所を質問するときは、「お住まいはどちらでいらっしゃいますか?」「おところをお尋ねしてもよろしいですか?」など、「お住まい」や「おところ」を使うのもいいでしょう。
「ご住所」を使った文例
「住所を教えてもらえますか」の敬語表現は、「ご住所を教えていただけますでしょうか」です。
また、「ご住所をお教え願えますでしょうか」と表現することも可能です。
このように、いくつかのバリエーションを覚えておくと、シーンによって使い分けられるので便利です。
一例を挙げると、
・パンフレットをお送りいたしますので、ご住所をお教えいただけますでしょうか。
・恐れ入りますが、こちらの用紙にお名前とご住所をご記入ください。
・お手数ですが、ご住所をご教示いただけば幸いです。
などがあります。
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