法令や規則にある「貸借対照表日後」という表現について

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用語を定義する文や法令の中に、「貸借対照表日後」という言葉が使われていることがあります。

 

この貸借対照表日は、損益計算書の作成日と同じなのでしょうか。

貸借対照表と損益計算書の作成日

貸借対照表と損益計算書を含む決算書は、定時株主総会が開催される2週間前から、株主や会社債権者が閲覧できるようにしなければならないことになっています。

 

ですから、貸借対照表と損益計算書の作成日は、決算日から株主総会期日の2週間前までの間のいつかということになります。

 

作成するタイミングは同じですが、貸借対照表はある時点での企業の財務状況を表しているので、冒頭に「令和3年3月31日現在」のように記載します。

 

それに対して、損益計算書は一定期間の企業の業績を示しているので、「自 令和2年4月1日〜至 令和3年3月31日」のように記します。

決算日と貸借対照表日

決算日は、会社を設立する時に定款で定められています。

 

個人事業であれば、決算日は12月31日です。

 

貸借対照表日は貸借対照表を作成する基準日のことで、通常は決算日が貸借対照表日になります。

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ただし、廃業によって会計年度の途中での作成となる場合は、貸借対照表日は決算日と一致しません。

 

たとえば6月に廃業した場合、貸借対照表日は6月末日になります。

 

ちなみに、貸借対照表日があるなら損益計算書日もあるかというと、それはありません。

 

なぜなら、損益計算書は上述したように一定期間の企業の業績を表すからです。

「貸借対照表日後」という表現が使われる例

貸借対照表日後という表現は、後発事象を定義する文の中などに出てきます。

 

後発事象というのは、決算日から株主総会の日までの間に起きた、財政状態や経営成績などに影響を及ぼす事象のことです。

 

貸借対照表日後は法令や規則にも出てくる表現で、たとえば「事業分離等に関する会計基準」の中でも「貸借対照表日後に完了した事業分離が〜」などのように使われています。

 

これは、貸借対照表日は通常は決算日と同じであるものの、例外的に決算日と一致しないことがあるため、より厳密な表現を採用しているということなのでしょう。

貸借対照表日は損益計算書の作成日と同じなのか

損益計算書の作成日は、決算日から株主総会期日の2週間前までの間のいつかです。

 

貸借対照表日は決算日(例外あり)ですから、貸借対照表日は損益計算書の作成日と同じではないという結論になります。

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