仕損費の読み方は「しそんひ」、それとも「しそんじひ」?他にも読み方があるって本当?
工業簿記において使用する会計関連の用語の一つに、仕損(しそん)があります。
これは製品を製造する過程において、失敗してしまったものを示します。
その仕損品にかかった経費のことを、仕損費と呼びますが、この漢字の読み方は「しそんひ」と読む人もいれば、「しそんじひ」と読む人もいます。
どちらが正しいのでしょうか?
どっちの読み方も正しいという説が有効
会計や簿記では、専門家でも仕損費のことを「しそんひ」と読んだり、「しそんじひ」と読むことがあります。
どちらの場合でも、仕損費のことを示しており、意味は同じです。
漢字を素直に読めば、仕損が出た場合にかかった費用ということなので、「しそんひ」が正しいという気がするかもしれません。
しかし、失敗という意味を持つ仕損という言葉は、「仕損じた」を語源にしており、「仕損」と言うよりも「仕損じ」と言ったほうが相手に伝わりやすいことが多いものです。
ここから、仕損のことを「しそんじ」と呼ぶ習慣が広がり、仕損費についても仕損の「しそんじ」に費(ひ)をくっつけて、「しそんじひ」と呼ぶようになったのでしょう。
こんな読み方もアリ
「仕損」の読み方は、上記の通り、「しそん」や「しそんじ」が一般的です。
しかし、読み方はそれだけではありません。
人によっては、失敗することを「しそこなう」ということから、仕損を「しそこない」と読んでいます。
スポンサーリンク確かに、「損」と言う漢字は「そこなう」とも読めます。
「しそこない」と言えば、失敗した製品なのだということも容易にイメージできます。
この「しそこない」を踏まえて仕損費を読むなら、「しそこないひ」という読み方もできます。
多く使われている読み方は「しそんひ」
仕損費の読み方は、必ずこのように読まなければ間違っているとか、会計の知識がない素人だと思われる、ということはありません。
会計学や簿記学の教壇に立つ教師や、会計士などのプロでも、「しそんひ」という読み方を使う人もいれば、「しそんじひ」を使う人もいます。
少数派ですが、顧客に分かりやすく説明するという目的で「しそこないひ」という読み方をするプロもいるでしょう。
それでは、最も多くの人に使われている読み方は何なのでしょうか。
ある統計によると、半数近くは仕損費のことを「しそんひ」と読んでいます。
仕損と言う漢字を素直に読むという方法は、耳慣れていない人にとっては意味が分かりづらい読み方かもしれません。
しかし慣れれば「しそん」が「しそこない」とか「しそんじた」という意味と同じだということは、すぐに理解できるのではないでしょうか。
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