商品有高帳の疑問!次期繰越を払出に書く理由を解説

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商品有高帳の次期繰越はどのように記帳すればいいでしょうか。

 

また、簿記勉強中の方の中には、次期繰越を払出に書く理由がよく分からなくて、納得できないという方もいるかもしれません。

 

商品有高帳の次期繰越の記入の仕方と、なぜそのような記帳ルールになっているのかを確認しましょう。

商品有高帳の次期繰越の記入の仕方

商品有高帳は、商品ごとに在庫を管理するためにつける補助簿です。

 

数量や単価、残高など、月内の取引を記帳していき、月末に帳簿を締め切ります。

 

帳簿が完成すると、その月の売上原価や月末商品棚卸高を把握できます。

 

月内の取引をすべて記帳し終えたら、月末の日付を記入し、適用欄に「次月繰越」と赤字で記入します。

 

さらに、直前の残高の数量・単価・金額を、次月繰越として払出欄に赤字で転記します。

 

次の行に、受入欄の数量・金額、払出欄の数量・金額をそれぞれ合計して記入します(単価は記入しません)。

 

受入欄の数量と払出欄の数量、受入欄の金額と払出欄の金額で、それぞれ合計が一致したら、締切線(二重線)を引きます。

 

最後に、翌月1日の日付けで「前月繰越」と記入し、次月繰越の数量・単価・金額を受入欄と残高欄の2箇所にそのまま転記します。

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最終月は、次月繰越の代わりに「次期繰越」、翌月1日の日付けで「前期繰越」と記入します。

 

これで、商品有高帳の次期繰越ができました。

 

次月繰越額が月末商品棚卸高となり、最終月の次期繰越額が期末商品棚卸高となります。

 

また、払出欄の金額(次月繰越を除く)を合計すると、月の売上原価を求めることができます。

次期繰越を払出に書く理由

なぜ、商品有高帳では次期繰越を受入欄ではなく払出欄に書くのかというと、払出欄に次月繰越を記入して合計を出すことで、受入欄の合計と一致させて締め切るためです。

 

もしも両者の合計が一致しなければ、どこかで間違っていると気付くことができます。

 

取引の記帳に抜けがあるかもしれませんし、誤記入や計算間違いがある可能性もあります。

 

受入欄に次期繰越を記入した場合は合計が合わないので、最後に確認をすることができません。

 

単純にそういうものとして覚えればいいという意見もありますが、ただ覚えるのはちょっと難しいという方もいるでしょう。

 

そんな方は、実際の倉庫をイメージしてみてください。

 

月末には倉庫から残った在庫を払い出していったん締め、月初めにまた倉庫に受け入れてもらうとイメージすると、分かりやすいかもしれません。

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