複式簿記で費用の発生が資産と同じ借方になるのはなぜ?

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複式簿記を学び始めて混乱するのが、借方と貸方という言い方です。

 

また、費用の発生を資産と同じ借方に記載するというのもピンとこないものです。

 

どうしてこのようになるのでしょうか。

なぜ?資産も費用の発生も借方になるわけ

企業の資産と負債のバランスをまとめた貸借対照表を構成するものの1つが「資産」です。

 

そのほかに、「負債」と「純資産」があります。

 

また、損益計算書は企業の一定期間の企業の経営成績を表すもので、P/Lと呼ばれることもあり、「費用」と「収益」で構成されています。

 

複式簿記では、「資産」と「費用」は借方になります。

 

ここで疑問に思うのは、「資産」と「費用」という一見正反対のものが、なぜどちらも同じになるのかという点です。

 

たとえば、500万円の資産から従業員に対して、150万円の賃金を支払ったとします。

 

150万円はそのまま消えてなくなりますから、費用の発生ということになります。

 

しかし、これはもともとは資産であったものという認識から、資産と同じ分類になるという考え方です。

 

また、費用は今期の収益に貢献することに使った部分、資産は来期以降の収益に貢献する部分と考えることもできます。

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ですから、物を仕入れた場合、今期の収益に貢献する部分ということで費用、仮に仕入れたものの一部が在庫になった場合は、来期以降の収益に貢献する資産になります。

 

費用の場合、増加は借方、減少は貸方というルールがあります。

 

たとえば、10万円の商品を現金で購入した場合は、費用の発生(増加)ということで、商品仕入れ高100,000円として借方に記載します。

借方と貸方の意味

お金を借りた場合は、借方に現金****円、貸方に借入金****円となります。

 

ここでなぜ、お金を借りたのに貸方に借入金とするのかという疑問が起きます。

 

これは、複式簿記の歴史と関係があります。

 

簿記はもともと中世のイタリアで発展したもので、中世ヨーロッパにおいては、お金を借りた時に取引相手の氏名を勘定科目としました。

 

たとえば、A社からお金を借りた場合、貸方のほうに「A社 金額」のように書いたのです。

 

ですから、現在の「貸方 借入金****円」という書き方は、A社が****円貸したという意味で、あくまでも相手目線からの書き方ということです。

 

由来はこのようになっていますが、深く考えると混乱するので、単純に右側と左側というふうに考えるのがいいでしょう。

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