収益の増加が貸方になるのはなぜか
損益計算書では、費用は左側の借方に記載し、収益は右側の貸方に記載します。
収益が貸方になるのはなぜでしょうか。
収益と利益
損益計算書は費用と収益で構成されており、収益から費用を差し引いた額が利益と呼ばれます。
収益には本業で得たもの、つまり商品の販売、サービスの提供によるものと賃貸収入、銀行預金の利息など本業以外で得たものがあります。
利益は5つに区分され、商品力やサービス提供力によって儲けた売上総利益、本業で設けた営業利益、本業と本業以外で儲けた経常利益、そして税金を支払う前の税引前当期純利益、一事業年度における最終的な利益を指す当期純利益です。
利益はプラスなら利益、マイナスなら損失となります。
貸借対照表の右と左の意味
貸借対照表で右側の負債と純資産は、資金の調達源泉を表していると言えます。
つまり、自己資本なのか負債なのか、資金をどこから得たのかということがわかる部分です。
左側の資産は資金の運用形態を表し、どこへ資金が投入されているのかを示しています。
資金は現金や預金、在庫、建物、土地などの形で運用されます。
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資産は増えたら左、減ったら右というルールがあります。
商品を売って現金を得た場合には、資産が増加するので左側(借方)の資産に現金とします。
売り上げは右側(貸方)です。
なぜなら、純資産は増えたら右側、減ったら左側というルールがあるからです。
そして、純資産が増加した要因は、収益に利益が生まれたことにあります。
収益は、貸借対照表の右側の純資産を増やしているという理由から、右側に書くということになります。
ここで、右側・左側という説明だとわかりやすいのですが、貸方・借方という言葉を使うと、急にわかりにくくなります。
なぜなら、収益の増加にもかかわらず、資金が減るイメージのある貸方に書くのに違和感があるからです。
これは、複式簿記はもともと中世のイタリアで採用されていた方法が起源となっていて、借方と貸方は自分ではなく、相手側の視点であるということに原因があります。
ですから、あまりこだわらず、覚えてしまうほうがいいでしょう。
かしかたの「し」の字の先が右に流れているので貸方は右、かりかたの「り」の字が左に流れているので借方は左と覚えます。
また、資産の増加と費用の発生(増加)は左、減少は右、負債・純資産・収益の増加は右、減少は左と暗記します。
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