減損と減耗にはそれぞれどんな意味と特徴がある?違いは何?

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会計処理や簿記には、よく似た言葉が多くありますが、減損と減耗もそうした間違えやすい言葉です。

 

それぞれどんな特徴や意味があるのでしょうか?

 

また、減損と減耗の違いについても理解しておきたいものです。

減損とは?

減損とは、固定資産の資産価値が低下した際に、実態に合わせて帳簿価格を調整する「減損処理」のことを示しています。

 

固定資産の価値が低下したままの状態で放置しても、実際の価値と帳簿上の価値の違いはどんどん大きくなるでしょう。

 

その結果、投資家にとっては誤った投資判断をする原因となってしまいます。

 

そのため、固定資産から売上が回収できなくなった場合には、賃借対照表に計上されている帳簿価格を調整して、違いを修正して回収可能な価額まで引き下げるという会計処理を行います。

 

例えば、1億円かけて建設したビール工場があり、固定資産として1億円が賃借対照表に計上されているとしましょう。

 

このビール工場において、ビールの消費が低迷したために取引先からの発注が激減すると、建設当初の予定よりも少ないラインでの製造を余儀なくされてしまいます。

 

本来稼働できる状態よりも少ないライン数での製造をしているこのビール工場の価値を見た場合、建設当初の予定通り1億円の価値があるとは言えないでしょう。

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減損は、主に時価の下落や収益力の低下という要因で引き起こされます。

 

上記の例は収益力の低下に該当する例です。

 

時価の下落の例を挙げると、例えば建設当初は毎月100万円で賃貸できると思っていたアパートが、周辺環境の変化が原因でニーズが低下し、毎月50万円の賃料が適正価格となってしまった場合には、その違いを修正するために減損処理をするのが妥当です。

減耗とは?

減耗とは、設備資産の使用によって消耗や摩耗が起こり価値が下がった場合に、賃借対照表に計上されている帳簿価格を、その状態に合わせて調整するという会計処理のことを指します。

 

例えば、自動車を新車で購入した場合を考えてみましょう。

 

新車で購入した自動車の価値と、10万キロ走行した同じ自動車の価値は、資産としての価値は大きく違います。

 

自動車の走行状況や状態に合わせて賃借対照表上の帳簿価格を調整するのが、減耗処理なのです。

減損と減耗の違いは何?

減損と減耗はどちらも、資産としての価値が下がり、賃借対照表上の帳簿価格を下方修正するという会計作業です。

 

この点は、どちらも共通しています。

 

しかし、減損に該当するのか、それとも減耗に該当するのかについては、どんな理由で価値が下落したのかという点で大きな違いがあります。

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