材料消費価格差異とは?製造間接費とは違うもの?
製造業では、材料費を実際にかかった費用だけではなく「予定価格」として、ある程度これくらいかな?と費用を予想して計上することも税務上では許可されています。
しかし、予定価格はあくまでも「予定」なので、実際にかかった費用は予定価格よりもプラスだったかマイナスだったか、きちんと計算をして把握しなくてはいけません。
この差額を「材料消費価格差異」と言います。
材料消費価格差異とは?
材料消費価格差異とは、簡単に説明をすると「実際価格と予定価格の差額のこと」です。
年度や月の始めに予定単価を使って予定消費額を計算して計上することができるのですが、実際に消費した金額と差額が出てしまうことがほとんどでしょう。
「予定はあくまでも予定」なので、予定消費額と実際消費額の差額をきちんと計算して計上しなくてはいけません。
この差額のことを「材料消費価格差異」と言います。
スポンサーリンク例えばハンカチを製造するための材料費が、予定価格が300円、実際の価格が350円だったとすると「350−300=50」で50円が消費価格差異となるのです。
要するに「予定消費額=実際消費額」とならない場合に出る金額を「差異」としてきちんと計上しましょうということになります。
ちなみに、予定消費額よりも実際消費額の方が高く、予定よりもマイナスとなってしまった場合には「不利差異(借方差異)」、反対に予定消費額よりも実際消費額の方が安くプラスになった場合には「有利差異(貸付差異)」ということも覚えておきましょう。
製造間接費とは違う
材料消費価格差異と製造間接費は違うものなのか、という疑問を抱く方もいますが、この2つは別々のものです。
製造間接費は製造業ならば、機械を動かすときに使用した電気代、従業員に支払う賞与や福利厚生の費用、工場内の水道やガス代などが当てはまります。
これらの限定したものを製造間接費というので、消費価格差異は全く別物だと覚えておきましょう。
ただし、消費価格差異を材料勘定ではなく、消費材料勘定を使う場合には「仕掛品勘定」や「製造間接費勘定」に振り替えて計上することは可能です。
勘定の方法を振り替えて入力することはできるので、どうしても製造間接費と関連付けて計算したい場合には、面倒になるかもしれませんが、一度製造間接費勘定(または仕掛品勘定)に振り替えて、後で予定消費額と実際消費額の差額を計算し、材料消費価格差異勘定として振り返ることもできます。
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