売掛金の語源ってあるの?漢字としての「売掛」とその歴史

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会計用語としての「売掛金」とは、「これから支払われる予定のある代金」を意味する、勘定科目としての名称です。

 

そして「掛け売り」とはそうした「後払い」で行う決済自体の名称、というのが最もかみ砕いた説明になります。

 

売掛、掛売は並列上で紹介されることがありますが、「金」がつくことで売掛金は会計上、固有の意味を持つ単語となります。

 

しかし用語としての意味は理解していても、どうして「売掛金…売掛・金」で1つの熟語となっているのか、どうして「掛」という言葉が使われているのか、語源として理解した上で使っている人は少ないのではないでしょうか。

 

熟語を構成する漢字においては漢字それぞれの語源もまた、大きな意味を持っています。

 

売掛金の中にある「売・掛」の意味から、この言葉の語源を探っていきましょう。

それぞれの漢字の意味から読み解く、売掛金の「売掛」の語源

「売」…訓読みで「う」る、音読みではバイとなるこの漢字は、この漢字そのものに「あきなう」「ひろめる」という意味が含まれています。

 

旧字体では賣と表記され、古くから貨幣を意味する「貝」の字が含まれています。

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また、売の部首である士(さむらい、さむらいかんむり)には、漢字の故郷である中国においては「支配力を持つ男性」「学芸に秀でた知識人」といった語源があると伝えられています。

 

「掛」…訓読みで「か」かる・ける、音読みではカイ・ケ・カとなるこの漢字ですが、なんとこの字1つに「金銭の支払いを売買の後に行う」「ツケ」という意味が含まれているのです。

 

他にも物を吊り下げる方の「掛ける」、数字を「掛け算する」時にも使われる、単語としての用法が幅広い漢字でもあります。

 

部首は手を意味する?、卦は幾何学の製図+占術として骨を焼いた出来た割れ目が語源となっています。

いつから「売掛」「掛売」は存在していた?

「売掛金」という言葉は会計用語ですが、「掛売」という商売方法自体は、少なくとも江戸時代には存在しています。

 

江戸時代の商家が利用していた帳簿の一種、「大福帳」においてその記載が確認されています。

 

商家によってこの帳簿の名称は異なりますが、中でも「大きな福」という大福帳は縁起を担ぐ江戸の商家に歓迎され、普及していったと言われています。

 

また当時の商家においては、基本的な取引方法が「掛売」でした。

 

当時の帳簿が現代に伝わっているように、現代の帳簿もやがて未来で読み解かれるかもしれません。

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