「提出いたしますので」は正しい敬語表現?「ご提出」との違いは?

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ビジネスで誰かにファイルや書類などを渡す時、「提出する」という言葉をよく用います。

 

「提出」という熟語自体、小学生でも使う一般的な表現ですが、たとえば「提出いたしますので」などと言うのは、ビジネス上、正しい敬語表現と言えるのでしょうか?

「提出いたしますので」は敬語として正しい表現

まず、「提出いたしますので」の「提出いたします」の部分は、敬語表現としてまったく問題ありません。

 

「提出」という行為を丁寧に表現する場合、この言葉自体は敬語にならないため、語尾に「いたす」などの言葉を付け加えることで丁寧な意を表現します。

 

ただ、より丁寧な表現にするには、「提出いたします」ではなく、「提出させていただきます」の方がよいのではないかと思う人もいることでしょう。

 

確かに「させていただく」はへりくだりの意を表す謙譲語なのですが、使い方が少々難しいため、注意が必要です。

 

「させていただきます」とは「させていただく」の丁寧語であり、その「させていただく」とはもともと「させてもらう」という言葉の謙譲語です。

 

ただ、「させていただく」と言う場合、相手の許可を求めるという意味合いが生まれます。

 

本来なら以前に提出しておくべきだった資料を遅れて提出する場合などに、「提出させていただきます」とするのは正しいでしょう。

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しかし、そうではなく、自らの主体的な行為として提出する場合は、わざわざ「させていただく」という言い方をする必要はありません。

 

「提出する」を謙譲語にした「提出いたします」で十分です。

「ご提出いたしますので」は正しい?

「提出」をより丁寧にした言い方に「ご提出」という表現があります。

 

では、上記の「提出いたしますので」のように自分の行為を指す場合に、「ご提出いたしますので」としてもよいのでしょうか?

 

「ご提出いたします」のように、自分の行為に尊敬語の「ご」を使うのは誤りではないかとの意見もありますが、必ずしもそうとは限りません。

 

確かに自分の行為に尊敬の意味を込めて「ご提出」とするのは誤りですが、この場合は謙譲語なので、「ご提出いたします」で正しいのです。

 

「ご提出いたします」と同じような例に、「ご挨拶いたします」「ご連絡いたします」「ご確認いたします」などがあります。

 

これらもすべて謙譲語なので、自分の行為を指す場合に用いても問題ありません。

 

ただし、「ご提出いたします」とすると、相手によってはくどいと捉えられかねません。

 

「ご提出します」とするか、単に「提出いたします」とするのが誤解がなく、無難な表現と言えるでしょう。

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