不採算の閉店理由で「諸般の事情により」は使えるのか?

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店が閉店する理由は、さまざまです。

 

そうした理由を一般利用客に通知されることはそれほど多くはなく、大半は「諸般の事情により」とか「諸事情により」「誠に勝手ながら」など、オブラートに包んだ表現をすることが多いのではないでしょうか。

 

もしも店を閉める理由が不採算だった場合でも、「諸般の事情」を使うことは可能なのでしょうか?

「諸般の事情により」の意味

「諸般の事情により」の「諸般」とは、「さまざまな」という意味があります。

 

つまり、諸般の事情によりということは、さまざまな事情によって、という意味を持ちます。

 

諸般という言葉の中に、店を閉める理由をにおわせる要素はないため、不採算なのか、それともビジネスオーナーの健康問題なのか、または他に事情があったのか、という言う背景を勘繰ることはできません。

 

また、「諸般」という言葉には、「一つだけではなく複数」の意味があります。

 

つまり「諸般の事情によって閉店させていただきます」ということは、店を閉める理由は1つだけではなくて複数あるのだな、というニュアンスを与えることができます。

 

複数ある理由を明記するのではなく、相手に推察させるという点が、「諸般の事情」の特徴です。

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目上の人に対しては言葉を変えるのがベター

「諸般の事情により閉店します」

 

「諸般の事情により閉店することとなりました」

 

「諸般の事情により閉店させていただきます」

 

は、どれを使っても相手に失礼となる言葉ではありません。

 

しかし、目上の人に対しては、相手に推察させる言葉を使うよりも、「ご賢察(けんさつ)」という言葉と合わせて使うのがベターです。

 

賢察という言葉には、相手が何かを推察することに配慮する、という意味があるからです。

 

「ご賢察」の使い方ですが、「諸般の事情のため閉店となりますが、ご賢察下されば幸いです。」のように、「諸般の事情」と「ご賢察」をセットで使うことによって、相手に対する敬意を表現できます。

ネガティブなイベントに対して使う言葉

「諸般の事情により」という言葉は、店の閉店など、不運な出来事に対して使う言葉です。

 

「残念ですが、このような事態となってしまいました」という雰囲気があるので、嬉しいことや慶事の際に使うのはNGです。

 

閉店以外には、イベントが中止となったり、参加する予定だったイベントを辞退せざるを得ない場合などが挙げられます。

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