「ご使用ください」と「ご利用ください」の違いとは?

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営業の方が挨拶がてらに、『ぜひ一度、ご利用ください』と新規サービスを紹介することがあります。

 

あるいは自社製品を出して、『試しに、ご使用ください』と言うこともあるでしょう。

 

一見同じような言葉ですが、両者には若干の意味の違いがあります。

 

ビジネストークでは、この区別をしっかりつけておきたいものです。

使用と利用の違いとは

「使用」と「利用」は、まず言葉自体の意味が違います。

 

この点を理解しておくと、ビジネス上の商談や電話・メールでのやり取りが円滑に進みます。

 

まず「使用」ですが、意味は人や物を使うことです。

 

「明日は一日中、会社の車を使用します」とか、「午後1時は営業部がA会議室を使用する予定です」のように、単に使うという行為を示す言葉です。

 

一方、「利用する」は、人や物の機能・性能を生かし、役立つようにうまく使うことという意味です。

 

単に使用するのではなく、目的を達成するために役立てる場合に使います。

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「空き時間を利用して、明日のプレゼンのチェックをしておこう」とか、「平日の都心部の移動は、車よりも自転車を利用するべきだ」のように、目的を定め、そのために有効利用するここと、効果的に使用方法を工夫する場合に「利用」を使います。

「ご使用ください・ご利用ください」を的確に使い分ける

自分が普段愛用している便利な事務用品を、先輩や上司・取引先に紹介する場合は、ぜひ使ってほしいとの気持ちを込めて『ぜひ一度、ご使用ください。』ということができます。

 

あるいは、もっとかしこまって『とても便利ですので、ご使用くださるようおすすめします。』と言うこともできます。

 

ただし、単に事務用品を紹介するために、上司や先輩に向かって『ファイルをまとめるのに便利ですので、ぜひご利用ください。』とするのは問題かもしれません。

 

「ご利用ください」には役立てほしいという意味が込められていて、単に使うのではなく、便利に使い熟してほしいと要求する意味合いが含まれます。

 

目上の人に対して、ちゃんと使ってほしいというのはおこがましいこと、僭越なことになりかねません。

 

また、「ください」と丁寧な表現ではありますが、やはり命令文はTPOを考えないとマイナス評価になるでしょう。

 

そこで、上司や取引先に対しては、「ご利用いただければと存じます」や「ご利用いただければ幸いです」とすべきでしょう。

 

「くれる」の命令形を使うのではなく、「もらう」の謙譲語で自分を低くすれば、上司や取引先に不快感を与えずに済みます。

 

このように、「ご使用ください・ご利用ください」を的確に使い分けると、ビジネス上の関係も円滑になることでしょう。

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