「誠にありがとうございます」と「真にありがとうございます」はどっちが正しい?
「有難うございます」を丁寧な敬語で表現すると、「まことに有難うございます」と言えます。
この「まことに」を漢字にした場合、「誠に」を使うのが正解なのでしょうか、それとも「真」と言う漢字を使うのが正しいのでしょうか?
漢字の意味を考えよう
「誠にありがとうございます」なのか「真にありがとうございます」なのかを比較する際には、使われている漢字の「誠」と「真」の意味を考えると分かりやすいです。
「誠に有難うございます」の「誠」は、「誠実」にも使われているように、「心からそう思っている」「心底その気持ちをもっている」という意味があります。
一方の「真に有難うございます」では、「真実」という言葉に使われているように、「本当の」「嘘偽りがない」という意味があります。
「まことにありがとうございます」については、感謝の気持ちを強める目的で、「まことに」という言葉を付加しています。
つまり、真実かどうかというよりは、心の底からそう思っていますという気持ちを表す「誠」の方がふさわしいと言えるでしょう。
「真に有難うございます」は間違いではない
お礼の気持ちを述べる際に「まことに有難うございます」というのなら、「誠に」を使うのが良いでしょう。
スポンサーリンクしかし、「真に」を使ったとしても、それは必ずしも間違いというわけではありません。
研究者などは、論文の中で「真に」をあえて使うことが少なくありません。
「真」の他には、「実に」を使う人もいます。
ただし、ビジネスレターなどで「まことにありがとうございます」と述べる際には、「誠」の漢字を使うことが多いです。
ひらがな表記もよく見る
「誠に有難うございます」については、漢字で「誠に」と書かれているものもあれば、ひらがなで「まことに」と表記されていることもあります。
漢字でもひらがなでも、読み方や使い方が間違っているというわけではないため、基本的にはどちらもOKです。
しかし、漢字を使った「誠にありがとうございます」の方が、ひらがなの「まことにありがとうございます」よりも、引き締まった雰囲気があります。
そのため、親しい間柄の人に対しては、カジュアル感のある「まことにありがとうございます」を使い、目上の人や取引先、また上司などに対しては、きちんと感のある「誠にありがとうございます」を使用するのが良いのではないでしょうか。
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