「ご予約承り中」と「ご予約受付中」はどちらが正しいの?
日本語には、丁寧語、謙譲語、尊敬語という3つの敬語表現が存在します。
丁寧語はみなさんが特に意識せずとも使用することのできる簡単な敬語で、言葉の語尾に「です」や「ます」をつけたものです。
謙譲語とは、自分の行動をへりくだることで相手を立て、敬意を示す敬語表現です。
そして、尊敬語では相手が行う動作を高めることで、敬意を敬意を示します。
これらの3つの敬語表現にはそれぞれ使用方法やルールがあるため、全てを正しく使いこなすことはなかなか難しいというのが現状です。
また、敬語表現の中には、この上記の分類に正確に当てはまらなくても、敬意を示している言葉も存在します。
その筆頭が「ご予約受付中」という言葉です。
この言葉は一見、丁寧なのかそうでないのか、判断に困るという方もいるかと思います。
今回は「ご予約承り中」という言い回しと比較しながら、少しタイプの違う敬語表現について考えてみましょう。
スポンサーリンク「ご予約承り中」の「承る」とは
「承る」は、「聞く」「受ける」「引き受ける」などの謙譲語で、「謹んで受ける」「謹んで聞く」という意味になります。
つまり、「ご予約」に対して使用する「承る」という言葉は、「謹んで予約を受け付ける」という意味となります。
そのため、予約を受け付けた際に「ご予約承りました」と使用するのが一般的です。
「ご予約承り中」という表現に関してですが、敬語の使用方法としては特に間違ったところはなく、「謹んで予約を受け付けております」という意味としてとらえることができます。
「ご予約受付中」は丁寧な表現?
「ご予約承り中」と同様の意味で使用できる「ご予約受付中」は、接頭辞と呼ばれる「ご」や「お」を伴った、少し丁寧な言い回しです。
接頭辞にはその後に続く言葉や行動の主体を立てる役割があります。
そのため、この場合は文字にされていない、予約を考えている人を立てて、「あなたのご予約を受け付けています」という意味で、予約に「ご」をつけていると考えられます。
予約をしてくれる人に対して敬意を払っている言葉であるため、使用しても失礼になりません。
「ご予約承り中」と「ご予約受付中」のどちらが正しいのかという点においては、どちらも間違っていないということになります。
しかし、なんとなく「ご予約受付中」の方がフランクな言い回しで、「ご予約承り中」の方が硬い表現のような印象を受けます。
そのため、お店の雰囲気、取り扱う商品の質や価格などを考慮して、ぴったりな方を選ぶのが無難でしょう。
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