法人などが退会する際には「諸般の事情により」を使えるか?
「諸般の事情により」は、辞退や中止、お断りなどネガティブな意味を持つイベントが発生する際に使用する表現方法です。
その理由を明確にするのではなく、オブラートに包んでボンヤリさせることができる他、その理由が一つではなく複数ありますよ、という意味もあります。
この「諸般の事情」は、法人が何かの会を退会する際にも使うことはできるのでしょうか?
法人の退会なら「諸般の事情により」が正解
法人が退会する際には、その理由を明記するのではなく、「諸般の事情により」という表現方法を使うのが正解です。
ビジネスマナーとして、「諸般の事情のため退会いたします」「諸般の事情により退会させていただきたく存じます」など、いくつかの言い回しはありますが、理由を明記するのはビジネスマナーとしてはNGなので、ボンヤリと「諸般の事情」を使うのが良いでしょう。
もしも書面を送る相手が、会を退く理由を既に知っていた場合でも、書面上は「諸般の事情により」とします。
相手との関係が親しく、より深く説明したい場合には、口頭で説明を行いましょう。
書面の上では、どんな場合でも「諸般の事情により」にとどめておくのが正解です。
スポンサーリンク個人なら別の表現が必要
ただし、法人ではなく個人が退会する場合には、「諸般の事情」を使うことはできません。
個人の場合には「一身上の都合により」を代わりに使うのがマナーです。
個人が何かの団体を辞めたり退職する際には、その理由を明確にするのではなく、法人が使う「諸般の事情」と同じように、ボンヤリとオブラートに包むのがマナーです。
例え周囲の人がその理由を周知していた場合でも、書面上では必ず「一身上の都合により」としましょう。
場合によっては相手に不快感を与える可能性がある
「諸般の事情」だけでは、相手に詳細な情報が伝わりません。
「詳細の説明は省きますが」というニュアンスが含まれているため、この言葉だけで退会すると、場合によっては相手に不快感を与えてしまう可能性があります。
悪いニュースだけを伝えるのではなく、できれば詳細な理由についても説明したいという場合や、どうしても不可避な理由によって退会を余儀なくされたという意思を伝えたい時には、「諸般の事情により」ではなく「やむを得ない事情」にするという方法もアリです。
ただし、目上の人に対しては、「やむを得ない事情」ではなく「諸般の事情により」を使うのがおすすめです。
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