「ご利用くださいましてありがとうございます」はビジネス敬語として正しい?

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こちらからある特定のサービスを提供して、取引先やお客様に利用していただいた場合は、『ご利用くださいましてありがとうございます』と、感謝の意を示すことでしょう。

 

この言葉は、ビジネス上で実に頻繁に交わされる社交辞令のような言い回しです。

 

そのため、普段からあまり意識せずに使っていますが、実際のところ敬語表現としては正しいのでしょうか?

「ご利用くださいましてありがとうございます」は正しい敬語です

「ご利用くださいましてありがとうございます」というお礼の言葉は、お客様が「利用してくれて」その件について感謝を示す文章になります。

 

主語がお客様ですので、利用してくれるの尊敬語である「ご利用くださいまして」を使うのは敬語表現としては正解です。

 

これに対して、「ご利用いただきましてありがとうございます」という人もいます。

 

この表現はちょっと問題があります。

 

「利用いただく」とすると、弊社は自社サービスをお客様に「利用してもらう」ということで、自社の行為が「ありがたい」ということになってしまいます。

 

そもそも「頂く」は「もらう」の謙譲語です。

 

お客様の行為に対して謙譲語を使うのは敬語表現でNGです。

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分かりやすい例をあげます。

 

「来てくれてありがとう」と「来てもらってありがとう」のどちらを使いますか?

 

この場合、間違っても「来てもらってありがとう」とは言わないように。

 

弊社はお客様に来て頂いて、そのことを感謝する(ありがたく思う)とならないと相手に対して失礼になります。

 

これと同様に、「ご利用くださいましてありがとうございます」とは言いますが、「ご利用いただきましてありがとうございます」というのは敬語として間違いだということです。

「くださる」と「いただく」の違い

ビジネス上では、言葉の正確さが、ときに取引を決める要因となることがあります。

 

ですから、相手に不信感や不快感を与えないためにも、普段から正しい敬語を身に着けておきたいものです。

 

「ご利用くださいまして」と「ご利用いただきまして」を比較してみましたが、他にも「くださる」と「いただく」をごちゃまぜにしてしまっているケースがあるかもしれません。

 

そこで、「くださる」と「いただく」についてしっかり区別しておくようにおすすめします。

 

繰り返しますが、「くださる」は「くれる」の尊敬語で、相手が自分に何か行為を示したり、物をくれた時に使う言葉です。

 

尊敬語ですから、必ず主語は相手になります。

 

一方、「いただく」は「もらう」の謙譲語で、自分が相手から何かをしてもらったり、物品をもらう時に使います。

 

謙譲語なので、必ず主語は自分になるわけです。

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