「ご自分のお名前」は敬語表現として正しいか?
敬語表現は簡単そうで奥が深く、難しいと感じる人は少なくありません。
相手に敬意を表する意味で単語の前に「お」や「ご」を付けることもまた、敬語表現として良く知られています。
丁寧にしようと思うあまり、「お」や「ご」が連続してしまうこともあります。
例えば、私達がよく耳にする「ご自分のお名前」もその一つです。
この言い方は敬語表現として正しいのでしょうか?
判断するポイントは、重いかどうか
「ご自分のお名前」から敬語表現を取り除くと「自分の名前」となります。
この「自分」に「ご」を付けて敬語にしたものが「ご自分」、そして「名前」に「お」を付けて敬語としたものが「お名前」です。
この2つをくっつけると、敬語表現が2つ連続して並ぶことになります。
敬語表現が2つ連続して並ぶことは、必ずしも正解というわけでもなければ絶対に間違いというわけでもありません。
基本的には、聞いた感じでしつこくなければ2つ連続してもOKというのがルールです。
スポンサーリンクそう考えると、この使い方は不自然な感じがないだけでなく、しつこさもありません。
問題なく敬語表現として使えって良いと考えられるでしょう。
「ご自分のお名前」がしつこいのはどんな時?
「ご自分のお名前」に関しては、しつこさがないので、そのまま敬語表現のフレーズとして使って問題ありません。
しかし、使い方によっては、しつこさが出てしまう場合があります。
例えば、「ご自分(自身)のお名前を、こちらの書類にお書きになっていらっしゃる」という表現はどうでしょうか?
「ご自分」「お名前」「お書きに」と、どれも相手の所作を示す単語に「お」や「ご」を付けることによって、敬語表現としています。
そしてその他にも、「いる」の尊敬語として「いらっしゃる」を使うことで、相手に対して失礼のない表現としています。
しかしこの表現は、敬語の使い方という点では間違いではないものの、しつこい感じがするのではないでしょうか。
このようにしつこいと感じさせるような敬語のオンパレードの場合には、部分的に「お」や「ご」を削ることによって、スッキリさせるという解決方法があります。
もしも削るなら、フレーズの後半よりも前半を削ったほうが、より自然な敬語表現となります。
ただし、上記の表現方法はしつこさはあるものの、間違いというわけではありません。
そのため、絶対に失敗したくないのなら、しつこいと感じながらも使って問題ありません。
どこを削ればよいかという点に関しては、より洗練された言い方をするのなら前半を削ることもできます、という一例です。
スポンサーリンク