「ご本人」に「様」をつけるのは間違っている?

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敬語表現というのは普段何気なく使っていても間違っていることがあるなど、日本人でも使い方が難しいものです。

 

また、文法としては正しくはなくても一般的に広く使われている表現もあります。

 

特に相手について呼ぶ場合は、その呼び方によって失礼になってしまうこともあるのでより注意が必要です。

 

こうした判断に迷う表現の一つに「ご本人様」という言葉があります。

 

果たしてこれは正しい言い方なのでしょうか?

 

文法だけでなく、相手に与える印象という観点から考察してみましょう。

「ご本人」に「様」をつけるのは二重敬語になる

文法という観点で考えると「ご本人様」という表現は間違っています。

 

というのも、すでに「本人」に対して「ご」がついていて、これだけで丁寧表現として成立しているからです。

 

さらに「様」をつけると二重敬語で過剰な表現となってしまいます。

 

そのため、正しくは単に「ご本人」です。

 

もしくは「ご自身」といった言い方をすることもできます。

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実際の使い方としては判断が難しいところ

正式な文法という意味では二重敬語になるために「ご本人様」とは使えないのですが、実際に現場ではどうかというと別の問題です。

 

コールセンターや店頭などで「これはご本人の電話番号でしょうか?」と聞くと、なんとなく丁寧さのレベルが下がるように感じる方もいるからです。

 

「ご自身の電話番号でしょうか?」というのも同じで、丁寧ではあるものの、なんとなく物足りないと感じる方もいることでしょう。

 

このように、敬語表現では単に文法的に正しいかどうかということでは割り切れないものがあるわけです。

 

そのため、現場ではたとえ正確な表現とは言えないものの、いわば現状追認のような形で「ご本人様」とつける人が多いのです。

 

異なる観点で文法を見れば「ご本人」に「様」をつけるのは間違いではないと考える人もいます。

 

それは、他の敬称を引き合いに出すことで理解できます。

 

たとえば「お父様」とか「お殿様」といった表現も、やはり「お○○」に対してさらに「様」をつける形となっています。

 

辞書によっては、「お」や「ご」などの接頭語につけることで丁寧さを表現する語として「様」を挙げているものもあるのです。

 

丁寧語の使い方に関しては、判断に迷う要素がたくさんあります。

 

少なくともサービス業やお客様の応対に当たる立場であるならば、一番大切なのはお客様にとって好印象を与える言葉遣いをすることであると考えるべきと言えるでしょう。

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