「レジ袋ご利用になられますか」は敬語表現として正しいか?

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コンビニやスーパーマーケットで、店員さんが『レジ袋ご利用になられますか?』ということがありますが、この日本語はちょっとおかしいと感じる人もいることでしょう。

 

言いたいことは、『レジ袋を使いますか?』という質問です。

 

この場合、どのような敬語表現を使うのが正しいでしょうか?

「レジ袋ご利用になられますか」は二重敬語

「レジ袋ご利用になられますか」は二重敬語で、日本語としては不適切な表現となります。

 

敬語を二重で使うことは、慇懃無礼(いんぎんぶれい)といって、丁寧すぎる応対をすることで相手を馬鹿にする表現になってしまいます。

 

あるいは過度に尊敬の意を込めることで、本心では尊敬していないことを包み隠すとも受け取られます。

 

どちらにしても正式な応対では二重敬語を使わないのがルールです。

 

では、なぜ「レジ袋ご利用になられますか」が二重敬語なのかと言いますと、「ご利用になられる」の部分で敬語が2つ重なっています。

 

利用するの尊敬語はおもに3つ。

 

受身形の「利用される」と付加形の「ご利用になる」と特定形の「利用なさる」です。

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「ご利用になられる」は「ご利用になる」と「利用される」を同時に使ってしまっています。

 

事の発端は定かではありませんが、『レジ袋ご利用になりますか』と『レジ袋を利用されますか』が混同したような形になってしまったのでしょう。

 

また、「なる」ではちょっと敬意が低いと感じてか、「なる」の尊敬語「なられる」の方が丁寧な言い方だと思ったのかもしれません。

 

このようなことから、「レジ袋ご利用になられますか」はなんとなく耳触りの良い言葉として常用化したのでしょう。

正しくは「ご利用になる」か「利用される」です

繰り返しますが、正しくは「レジ袋をご利用になりますか・ご利用なさいますか」か、あるいは「レジ袋を利用されますか」とするべきでしょう。

 

今回のケースのように、敬語をより丁寧な形に作り替えて表現することがよくあります。

 

そして、二重敬語や謙譲語と尊敬語を合わせて使ってしまうといった間違いを犯してしまうこともあります。

 

その方が相手に好印象だと思い、不正確な敬語を使い広めてしまうといったケースは非常に多いのです。

 

そういった意味で、 尊敬表現の「れる・られる」を付ければ敬語になるという風潮もありますので、ぜひ文法上の使い方を確認しておくと良いでしょう。

 

なお、正しい敬語は得てしてスマートな言い回しになるものです。

 

ちょっと言いにくい言葉だと感じたら、必ず文法をチェックしてみましょう。

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