「この度」の意味と期間の目安は？

ビジネスシーンを中心に、「この度」という表現をよく用います。

取引先へのご挨拶や謝罪の書面を送る時などです。

時期に関する表現はたくさん存在しますので、「この度」という表現がどれくらいの期間を指しているのかを正確に理解していないと、誤解を生むこともあります。

そこで、この表現の意味とどんな形で使えば良いのかを考えてみましょう。

「この度」は、一般的にごく近い期間の過去や現在の状態を表しています。

また、今でも進行している状況を含むニュアンスもあります。

そのため、「この度の件につきまして」と言った場合、すでに何らかの問題や出来事、変更が生じたものの、その事象や影響が今でも残っていることが推測されます。

具体的にどのくらいの期間というのは人によって感覚の異なる点ですので、明確に示すのは難しいところです。

ただ、年単位の期間が経過してしまった状態でこの表現を用いるのには違和感があります。

少なくても双方の認識で、ごく最近に行ったことであるべきです。

こうしたことから、現在も含めて過去数週間程度から、遅くても数か月程度が目安となるでしょう。

「この度」に似ている表現としては、「今回」という言葉があります。

これもかなり近いニュアンスを伝える表現で、今もしくはごく短い期間のうちに起きたことを指します。

特に「回」という字が入っていますので、複数回発生した出来事について、直近の状況であるというニュアンスも含まれます。

また、「今度」という表現も「この度」と似ている言葉として混同されることがあります。

表記上はほぼ「この度」と同じなのですが、今度の場合は現在もある程度含みますが、どちらかというと近い未来についてを示す含みがあります。

「今度は実行します」と言った場合、まだ行っておらず、これから実行するという考えが伝わることからもそれが分かります。

一方で、動詞を過去形にすることで近い過去や現在の様子を示すことも可能です。

たとえば、「今度はできた」という言い方です。

より範囲の広い意味合いを持ちますので、前後の文脈も理解する必要があります。

このように、「この度」は似ている表現があり、同じように使えることもありますし、微妙にニュアンスが異なるケースもあります。

どんな状況で、どの時間軸における経緯を説明したいのかを考えて、適切な言葉を選ぶようにしましょう。