乾湿計の設置場所
乾湿計とは、水銀温度計と球部を布などで包んで、水で湿らせた温度計で、湿度を調べるためのものです。
これはなぜか地上1.5メートルの位置の風通しの良い日陰に置くことが推奨されています。
では、なぜそれほどにも1.5メートルという指定された位置の風通しの良い日陰で測定する必要があるのでしょうか。
その理由は2つあり、1つ目は空気の温度による影響、2つ目は人間の目の位置の高さであるからです。
なぜ指定された位置なのか
1つ目の理由として、地面に近い所ほど、空気の温度が高いことが考えられます。
なぜならば、晴れた日の日中では、地面の近くで計測した空気の温度と、1メートルぐらいの高さで計測した温度では、温度が5〜6℃ほどの差が生じるからです。
これは、太陽の熱を地面が受けて暖まることにより、地面が空気を暖めていくので、地面の近くの温度は比較的高い数値になるというわけです。
その影響を受けるのは、地面から1メートルぐらいまでなので、地上から1メートル以上高い位置で乾湿計を設置し、測定することが望ましいと考えられます。
スポンサーリンク2つ目の理由としては、日本人の平均身長は男性がおおよそ1.7メートル、女性おおよそ1.6メートルであるため、平均して1.65メートルであるとします。
165センチの人の目の高さの平均はおおよそ1.5メートルとされています。
したがって、日本人の平均身長である身長1.65メートルの人の目の高さは地上1.5メートルであることがわかります。
目測で測定する乾湿計が目の高さの位置と等しい位置に設置してあると、測定のズレや誤差が生じづらくなります。
つまり、日本人の目の高さの平均の地上1.5メートルの位置に乾湿計を設置すると、測定のズレや誤差が生じる可能性が少なく、より正確な数値が読み取れるということです。
風通しの良い場所に設置する理由
次は、なぜ風通しの良い日陰に置くことが推奨されているのかです。
この理由は、乾湿計の球部に直接日光が当たらないようにするためです。
直接日光が当たると、外の気温プラス太陽光の熱で球部が暖められ、温度計の温度が気温よりも上昇し、適切な温度を測定できないからです。
さらに、適度な風がないと、水蒸気が留まってしまい、湿球の水分の蒸発が妨げられることで、正確な湿球温度になりません。
したがって、風通しの良い日陰に置くことが推奨されています。
以上のことをまとめると、なぜ乾湿計を地上1.5メートルの風通しの良い日陰に置くのかは、地面の熱を影響せず人の目の高さであり、太陽や風の影響を受けにくくするためです。
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