吸収合併された会社の内定者の取り扱いはどうなる?
内定をもらった会社がのちに吸収合併された、この場合内定者は就職できるのか切実な問題でしょう。
内定とは労働契約の締結された状態と解釈されるので、吸収合併後の存続会社の内定として解釈されます。
内定先が吸収合併される可能性がある?
一般的に正式に内定の出るのは10月1日以降ですが、内々定になると6月1日以降から可能です。
実際に入社するのは新卒の場合、4月1日でしょう。
ですから採用が事実上決まるまでに10カ月程度あるわけです。
この間に内定先が吸収合併されることもあれば、倒産してしまうこともゼロではありません。
特に景気が悪化している状況では、可能性も高まります。
吸収合併された場合、基本的に内定者はそのまま変わらず採用されます。
内定者というのは4月1日からの労働契約を開始することについて約束した人です。
正式名称は始期付・解約権留保労働契約です。
解約権が付いていますが、これは単位が足りなくて卒業できなかった場合を想定しています。
もし問題なく卒業できれば、労働契約を結んだ従業員と解釈できます。
吸収合併した場合、合併された方の権利や義務は承継されます。
ですから吸収合併した場合には存続会社に労働契約はそのまま引き継がれます。
スポンサーリンクもし合併した後新設会社を立ち上げるのであれば、この新設会社が内定者を引き受ける形になります。
せっかくとった内定を取り消されるのではないかと思う内定者もいるでしょう。
内定の取り消しは労働契約の解除で、解雇の扱いと一緒です。
解雇する場合、社会通念上相当である場合のみ認められると労働契約法に記載されています。
つまり合理的な理由がなければ、むやみに内定を取り消されることはありません。
内定者が不利になることはある?
このように内定先が吸収されたとしても、内定を取り消されることはよほどのことがない限りあり得ないと考えていいです。
ただしもしかすると吸収した方の社員と比較して、された側の社員は待遇面で若干差が出るかもしれません。
吸収した方の社員の方が出世スピードが速いといったことはあり得ます。
また吸収した方とされた方で社風や経営方針が異なるかもしれません。
された方の社風や経営方針に魅力を感じ入社した場合、肌になじまないといったこともあり得ます。
いったん合併された存続会社の方に就職して、しばらく働いて社風が合わなければ転職を検討することもあり得るでしょう。
問題なく入社できても会社が自分のイメージと異なることは理解しておきましょう。
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