即席とインスタントに違いはあるのか?
できるだけ時間をかけずにスピーディーに処理したり、何かを終えたりすることが製品やサービスに対して多くの人が求める特徴となっています。
そのため、さまざまな商品に「即席」とか「インスタント」といった言葉が付けられています。
これらの言葉は日本語と英語という違いだけで、意味の違いはないのでしょうか?
それぞれの意味について確認すると共に、両者の間にあるニュアンスの違いについてチェックしてみましょう。
「即席」と「インスタント」の意味
日本語の「即席」とは、そこにいる状態で手間をかけずに作れることを意味しています。
基本的には手間がかからないという労力の省略化と、即座にというスピーディーな様子を強調する言葉となっています。
ここから、本格的な作り方とは違う、間に合わせという感覚で作る様子も考え方として含んでいます。
「インスタント」という英語からの外来語は、日本語の「即席」とほぼ同じ意味です。
即座に行うとか、すぐに、という意味が強調されていて、この部分では「即席」とは違いはありません。
また、食品などに表記される場合には、お湯を注ぐだけ、暖めるだけといった形で簡単にできるという意味も持ちます。
そのため、労力の省略という意味でも違いがないことになります。
ただし、これは使い方によります。
というのも、もともと「インスタント」は、「そばに立っている」という表現が語源となっています。
何か必要が生じたら、そばにいるのですぐに行動に移せるということから、即座にという意味の「インスタント」ができたとされています。
このように、どちらかというとスピードの速さを強調する意味合いが強いことが分かります。
そのため、日本語の「即席」で第一に強調される、簡単さという意味は含まないこともあるのが、小さな違いと言えます。
似ているその他の表現
「即席」や「インスタント」に似ている表現として「即興」というものがあります。
「即興」という言葉もやはり、その場で作るという意味があり、すぐに作り上げるという点でも似ています。
このように、意味としては似ているのですが、使われるシーンは異なります。
調理や製品の制作については「即席」という言葉はよく使われますが、「即興」はほぼ使われません。
「即興」というのは、ほとんどのケースでスピーチや音楽、詩、俳句といった抽象的なものやアート的なものを作る時に使われます。
そのため、英語でも「インスタント」を「即興」と訳すことはほぼなく、常に「即席」という形となります。
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