旅館の畳がいつもいい匂いなのはいったいなぜ?

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旅や出張などで旅館を利用するとき、ふと気になるのが「部屋の匂い」です。

 

どの季節に訪れても、部屋全体にい草の良い香りが漂っていることを不思議に思う人は少なくありません。

 

では、どうやって旅館はリラックス効果の高いこの匂いを維持しているのかという点について考えてみましょう。

頻繁に畳表を取り換えているケースがほとんど

畳の良い香りは表面に使用されているい草から漂っているものです。

 

ですから、多くの旅館はい草から漂う良い香りを維持するために畳表を定期的に張り替えるというシンプルな方法を採用しています。

 

ただし、毎回すべての部屋にあるすべての面を張り替えているとコストが膨大になってしまいます。

 

また、い草はとても丈夫で長持ちする素材なので、「香りが薄くなったから」というだけの理由で張り替えをするのはとてももったいないことです。

 

ですから、非常にグレードの高い旅館など一部の例外を除いて、大抵は部屋ごとに数枚ずつ、6か月ないし1年程度の周期で徐々に取り換えていくというスタイルを採用しています。

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このローテーションを行うことによって、どの部屋からも一年中い草の心地よい香りが漂うということが可能となっているのです。

 

これは不要なコストを抑えつつ「い草の良い匂いに包まれたい」というお客様の要望にも応えることができる画期的な方法ということができるでしょう。

 

もちろん、毎日丁寧な清掃をして畳の表面を良い状態に保つという作業は欠かせません。

 

埃やごみがい草の中に入り込むとカビや雑菌が繁殖しやすくなり、香りはどんどんと弱くなっていってしまいます。

 

ですから、各部屋を清掃するスタッフは細心の注意を払って、食べこぼしなどで畳が汚れていないか、カビが発生していないかといった点を日ごとに確認しているのです。

 

こうした積み重ねも畳の良い香りを維持する重要なファクターとなっています。

畳表の切れ端を巧みに室内へ配しているケースもある

「香りは維持したいけれど、コストもできる限り抑えたい」という旅館の場合、懇意にしている職人さんの元から畳表の切れ端をもらってきて、それを加工し、上手にオブジェとして飾ることで部屋に香りが漂うようにしているというケースもあります。

 

お客さんの側からすると、1枚1枚畳をじっくりとチェックして、どこから香りがしているかを確認するということはまずありません。

 

ですから、芳香剤としての機能も備えたオブジェを飾るというのはとても実用性の高い方法なのです。

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