お値段を尋ねる「いくらですか?」は共通語?方言?
お店などで商品のお値段を尋ねる時に、「いくらですか?」という言い方をします。
多くの人が共通語と思って使用している「いくらですか?」ですが、方言ではないかと捉える人も少なくありません。
では、本当に「いくらですか?」は方言なのでしょうか。
もし方言なら共通語では何と言うのか、また、共通語なら「いくらですか?」にはどんな方言があるのでしょうか。
「いくらですか?」は方言ではない
最初に結論から述べると、「いくらですか?」は方言ではありません。
全国どこでも通じる共通語であり、「いくら」という言葉は辞書にも掲載されています。
「いくら」の意味を辞書で確認しましょう。
副詞としていくつか意味が掲載されていますが、要は、数や程度が不定ということを表す言葉です。
「どのぐらい」や「どの程度」、また、限定ができないほどの量や程度が甚だしい場合の「いかように」や「どんなにか」を意味します。
また、「いくらなんでも」のように、数量や程度が大きすぎると言いたい時にも「いくら」は使用される言葉です。
スポンサーリンクしたがって、物のお値段を尋ねるのに「いくらですか?」というのは、「(お値段は)どのぐらいですか?」「(お値段は)どの程度ですか?」と同じことだとわかります。
要は、「お値段は何円ですか?」という意味です。
「いくらですか?」を方言だと思っていた人は、これを機に認識を改め、自分でも実際に使ってみましょう。
誰にでも通じることがわかるはずです。
「いくらですか?」の方言の例
全国には無数に方言がありますが、ここでは代表して関西弁での言い方を挙げます。
関西弁で「いくらですか?」は「なんぼですか?」です。
単に「いくら?」という聞き方と同じく、「なんぼ?」と言っても店の人には通じます。
上記のように、関西弁の「なんぼ」はほぼ「いくら」と同じ意味なのですが、若干使い方に違いがあることに注意しておきましょう。
「いくら?」と言った場合、お値段などの数量を尋ねていますが、「なんぼ?」は人に年齢を尋ねる際にも使われます。
年齢を尋ねる場合、「いくら」ではなく「いくつ」ですが、関西弁の「なんぼ」には「いくつ」の意味もあるのです。
したがって、年齢の話題で「なんぼ?」と聞けば、年齢を問われているとわかります。
なお、「なんぼ」はいかにも関西を代表する方言のイメージがありますが、実はこの言葉が使用されるのは関西地方だけではありません。
北海道や東北地方、東海地方、関西以西の西日本一帯において広く使われているのです。
スポンサーリンク