【固定費と変動費】残業代はどちらに属するものか?

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給料などの人件費は基本的には毎月発生するもので、売り上げに関係ないので、固定費に分類されます。

 

しかし、残業の場合は毎月同じ時間ではないので残業代が固定費なのか変動費なのか、わからなくて迷う経理担当者の方も少なくないようです。

残業代は給与に含まれるので固定費

給与は毎月決まった金額を支給するので、固定費と納得できるでしょう。

 

残業代は月々残業時間が異なるため、支払われる金額も変わってきます。

 

ですから、変動費ではないかと思うかもしれません。

 

しかし、残業代は給与の中の一部という考え方もできます。

 

よって、月々で確かに変動するけれども、給与全体で見た場合固定費として処理するのが適切です。

 

給与は損益計算上、固定費として扱われるのが基本的な処理方法です。

 

なぜ給与が固定費として計上するのかというと日本の労務規定が関係しています。

 

労働基準法の中で解雇するための規定が明記されています。

 

しかもかなりハードルを高く設定していて、一度採用した従業員をそう簡単に解雇できない仕組みになっています。

 

「来月売り上げがこれだけ下がるから何人解雇しよう」という形で人件費を簡単にカットできない決まりです。

 

つまり、給与は簡単に削減できないので固定費として処理します。

 

残業代はその一部なので、固定費の一種と判断されるわけです。

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残業代は売り上げと連動しないので変動費ではない

変動費の基本に立ち返ってみましょう。

 

そもそも変動費とは、販売数量に比例して生じる費用です。

 

商品が売れれば原材料費はアップするでしょうし、思うように売り上げを記録できなければ原材料費を切り詰めるでしょう。

 

ですから、原材料費は変動費の一種です。

 

残業代も月々で上下動はあるかもしれません。

 

ただし、この変動は販売数量に比例しているでしょうか?

 

確かに、商品の注文が殺到してその対応をするために社員に残業を求めることもあるでしょう。

 

一方で、販売数量が少なくなったら残業代が減るかというと100%そうだと言い切れないのではないでしょうか。

 

販売数量に比例していない段階で、残業代を変動費に組み込むことはできないわけです。

 

短期のパートやアルバイト代も同様です。

 

固定費というと、毎月一定の決まった金額を支払う経費のようにイメージしている人もいるでしょう。

 

しかし、正式には、変動費に該当しないものはすべて固定費として処理します。

 

つまり、販売数量に関係なく生じる費用についてはすべて固定費になると考えてください。

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