蛾が同じ場所にずっといるのはなぜか?

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蛾が家の外壁などに留まったまま、ずっといるのを見たことがある人も多いでしょう。

 

大型の蛾だとかなり迫力もあり、虫嫌いな人にはそれがいるだけで嫌な気持ちになるかもしれません。

 

なぜ、蛾は同じ場所にずっといるのでしょうか。

行動修正の特徴(夜行性)

蛾が同じ場所にずっといる理由として、まず挙げられるのは、蛾が夜行性であるということです。

 

夜行性とは、夜に行動する性質を指し、人間は基本的には夜行性の反対、昼行性です。

 

昼間に活動する人間は、基本的に活動している蛾を目にする機会はあまりありません。

 

私達が最もよく目にするのは、昼間に活動を休止している蛾になるわけです。

 

だからいつまでたっても同じ場所にずっといるように見えてしまうわけです。

身体と生殖上の理由

これは蛾が夜行性である理由ともつながる話ですが、蛾は身体構造的に蝶と比較して重くできています。

 

昼間活動すると、体温が上昇しすぎてしまうため、日が落ちた夜間になってから活動するわけです。

 

蛾が夜間になって活動を始める際には、体温が下がりすぎて飛べない状態になっています。

 

それで蛾はその場で羽根を震わせ、体温を上昇させてから飛び立つ必要があります。

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夜になると激しく動き回る印象があるのは、光に寄ってくる「走光性」という性質で、ことさら目立つということも要因になっていると考えられます。

 

中には、スズメガの仲間のように、体温調整ができるという昆虫には珍しい性質を持っている蛾もいます。

 

だから、スズメガは餌である花の蜜が採取しやすい日中に活発に飛び回ることができます。

 

蛾は繁殖行動のために、メスがフェロモンという物質を発してオスを呼び寄せます。

 

外壁などで同じ場所にずっといる蛾はメスが多いとされ、これは繁殖のために同じ場所にとどまってフェロモンを発していた方が、効率よく繁殖行動ができるため、という見方もあります。

実は死んでいる場合も

蛾が同じ場所にずっといると思っていたら、何かの表示に地面に落っこち、そのまま動かないので、そこで初めて死んでいることに気づく、ということもあります。

 

セミなどでも同じ光景が良く見られますね。

 

セミと同じく、蛾も幼虫である期間のほうが成虫である期間よりずっと長い生き物です。

 

蛾の成虫の寿命はせいぜい数週間程度しかありません。

 

子孫を残すための繁殖行動を続けた結果、力尽きた姿が私達からは、「同じ場所にとどまって、ずっといる」ように見えるだけなのかもしれません。

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