「ディスク容量が切迫」というのは正しい言い方?
ハードディスクやクラウド保存サービスなどは、決められた容量があってそれ以上使用することができません。
そのため、完全に使い切る前にデータを削除するなどして調整する必要があります。
このタイミングを知らせるのに、「ディスク容量が切迫している」と表現する人もいます。
しかし、この言い方は正しいのでしょうか?
もし間違っているのであれば、他にどんな言い方ができるのかを考えてみましょう。
厳密には「容量が切迫している」というのは間違い
厳密に言うと、「容量が切迫している」という表現は間違っています。
というのも、切迫という単語は、何かが差し迫っているとか、予断を許さない状況となっているという意味があるからです。
そのため、単に「容量が」というだけでは、どんな状況が差し迫っているのかを正確に伝えることができないからです。
ここで伝えたいのは空きスペースがなくなるということですが、この状態のことを「減尽」と言います。
そのため、正しく言うのであれば「容量減尽が切迫している」という表現となります。
もちろん、日常会話では減尽という言葉はほぼ使いませんし、減尽という言葉を入れなくてもニュアンスで理解してもらえるはずです。
また、そもそも切迫には、状況が悪くなっているという意味が込められていますので、意味としては理解できるものとなります。
スペースがなくなっていることを示す他の言い方
記憶スペースがゼロに近づいていることを示す他の言い方としては、「逼迫」を用いることができます。
逼迫もかなり近い言葉で、状況が悪くなり差し迫った様子であることを示す表現です。
しかし、切迫よりもさらに状況が悪く、惨事に近づいているというニュアンスが強まるという点で違いがあります。
さらに、逼迫という表現は何らかの事情で供給や機能がうまくできなくなり、稼働不可能となることも示唆します。
たとえば、「コロナ感染者急増によって医療が逼迫する」といった表現があります。
こうしたことから、記憶スペースについても逼迫しているという表現をすることで、残りがなくなっていることを示せます。
ただし、上記のように悲惨な状況に陥る前触れというニュアンスもありますので、重要なITインフラなどの公共性があるシステムについて使う方がしっくり来ます。
個人のパソコンやスマホの保存領域について使うのは、ちょっと過剰な言い方と思われる恐れもあります。
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