ハイパワードマネー(日銀当座預金残高)はなぜ負債に計上されるの?

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ハイパワードマネーは、日本中央銀行のバランスシート上において、負債として計上されています。

 

なぜハイパワードマネーが負債に計上されているのか、ハイパワードマネーの会計上の扱いについて、なぜ負債とされるのかを確認してみましょう。

ハイパワードマネーとは

ハイパワードマネーとは、日本中央銀行が民間銀行に対して、通貨として発行している負債の総額です。

 

これは、民間金融部門と民間非金融部門を合わせた民間部門が、日本中央銀行に対して持ってる債券とも言えます。

 

また、現金と民間銀行が保有する日本中央銀行への預金とも捉えられることから、ハイパワードマネーは日銀当座預金残高とも呼ばれます。

 

これに対して、中央銀行と民間金融部門を合わせた金融部門が、民間非金融部門に対して負っている負債は、マネーストックと呼ばれます。

ハイパワードマネーはなぜ負債なのか

お金は、非金融部門にとっては資産と言えますが、金融部門から見ると負債と捉えられます。

 

なぜでしょうか。

 

日本中央銀行が当初発行していた銀行券(紙幣)は、金や銀と交換できることが保証された兌換銀行券(だかんぎんこうけん)というものでした。

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その際に、日本中央銀行では、銀行券の金銀への交換依頼に対していつでも対応するため、銀行券発行高と同等の金や銀を保有しておくよう義務付けられていたのです。

 

これは言い換えれば、日本中央銀行が民間に対して振り出す債務証書のようなものと捉えることができます。

 

そのため、日本中央銀行のバランスシートでは、金や銀が資産として計上されており、発行した銀行券が負債として計上されていました。

 

現在、発行している紙幣は金や銀と交換する必要がないため、金や銀の保有義務も撤廃されています。

 

しかし、こうした名残から、日本中央銀行のバランスシートでは、ハイパワードマネーは負債として計上されているのです。

 

なぜなら、銀行券は債務証書のようなものとして、引き続き、日本中央銀行が信認を確保しなければならないという性質に変わりはないためです。

 

銀行券が金や銀との交換を保証する兌換銀行券だった頃には、銀行券の価値の安定は、日本中央銀行の保有資産により確保されていました。

 

しかし、現在では、日本中央銀行が適切に金融政策を遂行することによって、銀行券の価値の安定を図っています。

 

日本中央銀行に限らず、海外の主要な中央銀行においても、銀行券はバランスシート上で負債の取扱いとされることが一般的です。

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