水田などに見られる暗渠排水と汚水が流れる下水道の違いについて

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■暗渠排水と下水道の違いは何?
暗渠排水とは、もともと水田の地下水位を管理することできるように、地中に暗渠パイプなどを埋める工法のことです。

 

水の量をコントロールすることで、一時的に乾田化させることができるので、稲の生育を良くしたり、畑の転作ができるようになったりします。

 

水はけが良くなることで、土壌が固くなるので、田植え機などの大型の機械を入れやすくなります。

 

最近では自宅のお庭の水はけを良くするために、暗渠排水の工事を行う人もいて、業者に頼むのではなく、DIYで行う強者もいます。

 

業者に頼むと数十万円の費用が発生しますが、自力で行えば1万円程度の費用で収まるので、大変人気があります。

 

一方、下水道とは、雨水と汚水を一緒にして水の処分場へ送る管のことです。
雨水は文字通り雨の水で、融雪水も含んでいます。

 

汚水はトイレの排水や家庭ででる生活排水、そして事業場からの産業排水なども含まれます。

 

下水道を通って送られた雨水と生活排水は、最終的に処分場で無害なものへと浄化されて、海や川などに放流されています。

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下水道には処分場へ汚水を送って水を浄化することで、水環境を守るという目的がありますが、その方式には分流式合流式の二通りがあります。

 

分流式は雨水と汚水を別々に流し、合流式は両方とも一緒に流す方式です。

 

合流式の場合、都市部などで大量の雨が降った時、雨水も一緒に処理することができるので、都市部での浸水を防ぐことができます。

 

また大量の雨水によって、生活排水が薄められるというメリットもあるのですが、その反面、大量の雨水の流入によって、生活排水が十分に浄化できずに海や川に放流される危険性があります。

分流式を採用している神奈川県小田原市

小田原市では雨水と生活排水を別々に管理する分流式を採用しています。

 

生活排水は汚水菅で、雨水は雨水渠で管理していることになっているのですが、雨の日は汚水管を流れる量が、通常の倍の量となってしまっています。

 

このことから、雨樋が汚水管に繋がっていたり、外流しに雨水が流入してしるお宅が多いのではないかということを、市では危惧しています。

 

雨水と生活排水がきちんと区別されていなければ、大雨の日の下水処理場がパンク状態となってしまい、きちんとした水の浄化が不可能となってしまいます。

 

家庭で汚水の逆流が発生したり、川や海の水質の悪化が発生したりしてしまいますので、雨水は雨水枡に、生活排水は公共枡に繋ぐように推奨しています。

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