勘定科目には「対義語」がある!?預り金の対義語、預け金について

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預り金とは勘定科目上、「従業員などが負担するお金を、企業・会社が一時的に預かる」際に使用する科目です。

 

一般的なイメージでは、会社経由で国に支払われる源泉所得税や社会保険料が当てはまります。

 

従業員がじかに納める国への税金を、企業が天引きという形で給与から「預かり」、全従業員分をまとめて国へと納付します。

 

預り金はまた、科目上の分類は「負債(流動負債)になります。

 

あくまで一時的に預かるもので、決済期限までに処理されます。

 

給料から1万円の預り金が発生した場合、企業は1万円の「負債」を貸方に記入し、その後税務署にその1万円を収めた後は「預り金」分の負債が無くなる為に「借方」へと記入します。

 

このように流動するのが預り金の仕訳ですが、この預り金にはある対義語があります。

預り金の対義語は「預け金」?

簿記上、預り金の勘定科目上の対義語は「預け金」となります。

 

企業が個人から源泉所得税を一時的に預かるのに対し、対義語である預け金は「企業が個人・他者へお金を一時的に預ける」際に使用する勘定科目です。

 

この個人や他者とは、多くは自社の従業員もしくは取引先を指します。

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預け金の勘定科目は、有価証券売却等の信用取引によって用いられます。

 

信用取引とは、資金・有価証券を用いての取引方法です。

 

通常、有価証券の取引においては購入ならば資金、売却する場合は有価証券が必要です。

 

しかし、この預け金の勘定科目を使う事で、そうした前提なく取引する事が可能なのです。

「預け金」の具体的な使用例

例えばA社がB社に対して資金運用を委託するとします。

 

A社はこの時、B社の口座へ200万円を振り込みます。

 

これでA社はB社へと「200万円を預けた」事になります。

 

この時、A社の記帳においては「借方・預け金、200万円」となり、「貸方・当座預金、200万円」となります。

 

つまりA社の資金、当座預金から200万円が減り、「預け金」として同額がB社に「預け」られた仕訳が記載されています。

 

預り金と預け金は見た目がよく似ていますが、その中身は対義語であり大きく異なっています。

 

一般的に簿記上知られているのは預り金ですが、企業規模が大きくなってくると預け金を仕訳するケースも増えていきます。

 

どちらがどういった意味合いか、何から何への預けを対象としているのか、「対義語」という前提を理解して間違いなく覚えていきましょう。

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