図面購入費用の勘定科目の考え方とは?資産計上をすべき?

スポンサーリンク

建物や設備には必ず図面が伴います。

 

普通は、建設時や設備の導入時に設計費と施工費と共に請求され、図面購入だけを別にすることはありません。

 

しかし、設備設置や建築からある程度年数が経ち、図面が古くなっていると図面購入のみをすることがあります。

 

こうした場合は、建物取得費用とは別に考える必要が出てきますので、勘定科目の仕訳も異なります。

 

こうしたケースでは、どんな勘定科目算入ができ、どんな注意点があるのかを事前に考えておくことで、トラブルを防げます。

図面購入費用の勘定科目にまつわる疑問点

図面購入にかかる費用の会計処理は、一見すると難しく見えます。

 

というのも、場合によってかなりの費用がかかることがあるからです。

 

設備機械の図面を引き直すとなると、百万円単位での支出が出てしまうことも珍しくありません。

 

そうなると、消耗品のような少額の支出で勘定科目の仕訳をすることができないのではないか、という疑問が生まれます。

 

支出ではなく資産として計上すべきなのか、そうであれば減価償却をしないといけなくなるかという問題も出てきます。

 

そして、図面購入の費用と、建物の建設費用もしくは設備の設置費用が別々に請求された場合も、ちょっと取り扱いに困ることがあります。

 

果たしてこれらの費用を合算して問題ないのか、それとも一緒にした方が良いのかという点です。

 

これにより、勘定科目の入れ方も変わってきますので、あらかじめ確認しておかないといけません。

スポンサーリンク

図面にかかるコストは支払い手数料に仕訳する

一般的に、図面購入費用は支払い手数料の勘定科目に入れて会計処理をします。

 

これはいくら金額がかかっても一緒です。

 

一見すると、百万円単位での支払いがあった場合は、資産計上をしないといけないように思えます。

 

しかし、支払い手数料の場合であれば、あくまでも支出としての勘定科目で計上することができるのです。

 

というのも、図面はそれ自体、つまり紙自体に大きな価値があるわけではないからです。

 

もちろん、図面で用いるような紙は、普通の用紙よりも高級なものですが、それでも費用のほとんどは物そのものではなく、費やした工程にかかる人件費です。

 

そのため、図面購入費用は資産として見るのではなく、支払い手数料として勘定科目の仕訳をするのが適切なのです。

 

これは会社で使う地図と同じ考えとなります。

 

営業用などに使う住宅地図は、その大きさによって数十万円はします。

 

それでも資産計上をする必要はなく、図書代や資料代などの勘定科目に入れることがあります。

 

これも、費用に関わりなく、地図が記載された紙そのものに価値があるのではなく、その情報に対して支払いをしているという考えに基づきます。

 

当然、支払い手数料の勘定科目に入れれば、減価償却をすることはありません。

 

一括して経費として単年処理ができることになります。

 

その年においては節税対策ともなりますので、そのまま勘定科目処理してしまった方がメリットが大きいでしょう。

図面の分だけを分離して処理することもできる

図面のみを依頼した場合には問題が出てきませんが、図面購入と同時に設備設置や建設作業が出てくることもあります。

 

その場合は、通常設計費や工費と共に図面購入費用も合わせて請求されます。

 

支払いも通常はまとめて行うことになります。

 

そうなると、図面購入費用分も資産分に合算されてしまい、すべてが減価償却の対象となります。

 

もちろん、これでも問題はありませんが、もし減価償却をしたくないということであれば、図面購入費だけを分離することも可能です。

 

この際には、会計処理をしやすくするために、請求書や支払いを分けてもらえると楽になります。

 

事前に、会計処理の効率化を考えて、設計事務所や工事業者に頼んでおくと良いでしょう。

スポンサーリンク