内定者の通信教育の受講費用を勘定科目仕訳する場合の注意点

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従業員に対する研修や訓練というのは、企業の人材力を高めるために不可欠なことです。

 

そのためにある程度の費用をかけるとしても、十分な価値があるものと言えます。

 

これは、既存社員だけでなく、すぐに入社してくる就職内定者にも言えることです。

 

むしろ、新社会人としてビジネスの現場に初めて入ってくる内定者に、積極的に通信教育などを通して研修を施し、すぐに現場で通用するよう助けることは重要です。

 

そこで、内定者に通信教育などの研修を行い、その受講費用を会社が負担した場合、経費として算入して問題ないのか、どの勘定科目に入れるかを確認しておくことは大事です。

内定者への通信教育も経費として認められる

既ににいる従業員への研修は、当然のこと研修費などの勘定科目で経費として計上することができます。

 

この原則は、まだ正式に入社していない内定者に対しても適用できます。

 

会社に来ることが決まっている人に対しては、通信教育での研修を事前に行うことで、業務ですぐに役立てられるというメリットがあるからです。

 

そのため、通信教育などの受講費用も経費として問題なく計上できます。

 

ここでの注意点は、内定者といっても入社することが決まっている人に限定されます。

 

内定者の範囲はかなり広いため、内定を複数の企業からもらい、その後いくつかの企業を断って一つに絞るというケースもあります。

 

こうした人に対しては、通信教育をしても企業の業務に資するわけではありませんので、経費として認めるのは無理があります。

 

内定者として決まっているだけでなく、本人からも入社するという明確な意思が通知されているケースに限ると考えた方が良いです。

受講費用は研修費の勘定科目に仕訳するのが一般的

内定者に対してであろうと、現在すでにいる社員に対してであろうと、通信教育など受講費用は研修費の勘定科目に入れるのが普通です。

 

研修費はかなり広い定義で使われる勘定科目です。

 

社内で開催する特定の社員向けの講習から、外部の施設を借り切って大々的に行う研修などにも適用できます。

 

また、事例にあるような通信教育でも、問題なく含めることができる勘定科目となります。

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勘定科目としては別の名目を付けることもできます。

 

たとえば、通信教育分を教育訓練費という勘定科目を別に立てることもできます。

 

というのも、会社によっては、研修を目的や対象とする社員に応じて細かく分けていることもあるからです。

 

同じように見える研修でも、通信教育は別などそれぞれ分けることによって、費用対効果を見やすくしたり、会計処理がしやすくなったりすることもあります。

 

こればかりは、それぞれの会社で決めることですので、一番効率的で処理しやすい勘定科目を作ったり、分けたりするのがベストです。

内定者に対して使われた経費についての注意点

採用内定者に対しては、各社いろいろな対応をしています。

 

人材不足が深刻している業界もありますので、内定者が確実に入社してくれるようにと、細かなケアをしているところもあります。

 

こうした費用に関しては、勘定科目の設定に気を付けないといけません。

 

というのも、内定者は外部の人というわけではありませんが、完全に社内の人間というわけでもないからです。

 

たとえば、内定者の研修のためにビジネスマナーや英会話、業務に使う資格取得のための通信教育を受けさせるというのは問題がありません。

 

しかし、通信教育以外に研修旅行という名目で、豪華な旅行を行うとなると問題が出てきます。

 

そもそもそのような内容では、研修費の勘定科目では扱い切れないところがあります。

 

また、現社員でない人に対する接待と見なされてしまい、接待費での勘定科目仕訳をするようにと指摘されることもあります。

 

勘定科目によっては制限金額の考えがあるものも存在しますので、注意が必要です。

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