内装工事などで出る雑工事の勘定科目を間違えずに行うために
オフィスなどの内装工事や設備増設などを行うと、一つの工事でもいくつもの内訳が付くことがあります。
勘定科目の仕訳では、内容によって分類が必要となることもありますので、こうした内訳は大変助かります。
一方で、内訳の中には勘定科目の仕訳に困ってしまうものもあります。
その典型と言えるのが雑工事と呼ばれるものです。
要は分類するのが難しい作業をひとくくりにしたものです。
工事業者が分けていないくらいですから、勘定科目の仕訳はさらに分かりづらいものです。
その仕訳のポイントを押さえて、正しく会計処理できるようにしましょう。
できるだけ雑工事の内容をはっきりさせる
工事費用の内訳の中に、雑工事という記載がある場合、内容が不透明です。
そのため、まずはできるだけその雑工事がどのような内容なのかを、業者に確認して明瞭にしてもらうのがベストです。
細かな作業がひとくくりになってしまっていることもあれば、業者の方で区分が分からないからと雑工事としてしまっていることもあります。
そのため、具体的な工事内容を記載してもらうことで、勘定科目の仕訳がしやすくなります。
実際に記載してもらえば、その内容の専用の勘定科目を作るという選択肢もありますので、できる範囲で雑工事の中身を明瞭にしてもらうようにしましょう。
工事の中身を分類することで勘定科目仕訳がしやすくなる
そもそもリフォームや内装工事における勘定科目の区分というのは、複雑になりがちです。
そこで、雑工事の内容に応じていくつかのグループに分けていくことで、シンプルに勘定科目を分類できます。
まず、建物の構造に直接関わる工事です。
この場合は資産計上する必要が出てくることが多く、費用も高くなります。
そのため、建物という直接の勘定科目にするのが適切です。
スポンサーリンクまた、建物附属設備についての費用があります。
これは、電気設備や水回り、安全設備の取り付けや交換に関係する工事です。
これは建物付属設備という勘定科目を作って、そこにまとめて入れることができます。
そして、備品や消耗品があります。
これは家具やOA器具、電気器具など、建物に直接取り付けるものではないアイテムを購入した場合、修理した場合の費用です。
金額が張ることもありますが、基本的には建物とは別個に考えます。
その上で、金額の上下に応じて減価償却をするかどうかを判断します。
共通経費というグループもあります。
これは、すべての作業に共通する経費であり、具体的にデザイン費や図面費用などがあります。
こうした費用は、それぞれの作業に按分する形で勘定科目処理することになります。
雑工事として請求された場合、その内容に応じて、上記のグループの中に入れて勘定科目処理をすることになります。
こうしたグループ分けをして考えることによって、より楽に分類ができるのです。
建物附属設備に算入できるかどうかを判断
雑工事の中身をある程度分類するに当たっては、できるだけ税務上有利になる方法を採るのが賢明です。
そこでポイントとなるのが、耐用年数の差です。
少額の工事であれば、元々一括経費算入ができますが、たいていの工事はコストがかかるので減価償却をしていくことになります。
減価償却をする期間を決めるのが耐用年数で、多くの場合耐用年数が短い方が経費計上を多くできるため有利となります。
その点で大きな差を生むのが、建物の勘定科目か建物附属設備かという違いです。
雑工事の内容にもよりますが、できるだけ建物の勘定科目に入れずに、附属設備に入れられるようにすることで、雑工事にかかる減価償却を有利に利用できます。
キャッシュを効率よく回すためにできる賢い方法ですので、可能な限り活用して会計処理をしましょう。
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