挨拶回りで購入したタオルの費用は勘定科目のどこに仕訳する?

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オフィスの移転時など、法人では取引先へ挨拶回りをする機会が少なくありません。

 

多くの場合、挨拶回りの際にはタオルのようなちょっとした粗品を持参しますが、こうした粗品の購入にかかる費用は、勘定科目においてはどのように分類するのが適切なのでしょうか。

国税庁における定義

取引先に挨拶回りをする際にタオルを持参するということは、交際費なのかなと考える経理担当者は少なくありません。

 

しかし、持参するタオルはお中元やお歳暮ではなく挨拶回りなので、カスタマイズして社名を印刷するなど、多少の宣伝効果を持たせることは多いでしょう。

 

そう考えると、持参するタオルは勘定科目だと広告宣伝費の方が適しているのかな、とも考えられます。

 

国税庁では、この交際費と広告宣伝費については、定義づけがされています。

 

まず、勘定科目で交際費に仕訳される費用は取引先や仕入れ先等に対して挨拶回りを行う際にかかる費用のことで、そこにはタオルのような贈答品に加え、供応費用や接待費用、慰安費用などが含まれます。

 

ただし、持参したものが不特定多数を対象とした宣伝効果があるとみなされる場合には、その費用は勘定科目では交際費ではなくて広告宣伝費と仕訳されるのが妥当となります。

 

一般的には、社名を入れたカレンダーとかタオル、手帳などがあります。

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用途や配布方法で変わる勘定科目

それでは、挨拶回りのタオルは、交際費と宣伝費、勘定科目ではどちらに仕訳するのが妥当なのでしょうか?

 

例えば、挨拶回りと言っても特定の取引先に足を運んで粗品を持参するという場合には、不特定多数の人に対する宣伝効果を期待することは難しいでしょう。

 

その場合には、挨拶回りのタオルの購入費用は勘定科目の交際費に仕訳するのが妥当です。

 

交際費として仕訳るのが適切な場合は、取引先への挨拶回りがメインという場合です。

 

タオルを配って宣伝をすることが目的ではなく、あくまでも挨拶をする事がメインの目的で、その際に粗品を持参したという時には、販促や宣伝を目的とはしていないので、勘定科目では交際費として仕訳するのが適切となります。

 

持参するものがタオルではなくて食品やインテリアなど別のものでも、販促や宣伝が目的でなければ交際費として計上するのが良いでしょう。

 

一方、オフィス移転などに伴って、店舗やオフィスの前で通りがかった町の人達へ粗品としてタオルを配布するという場合には、不特定多数の人を対象とした宣伝効果が期待できます。

 

そのため、同じ社名入りのタオルを使った場合でも、こういう配り方をするのなら勘定科目では接待費ではなくて広告宣伝費に分類するのが適切と言えるでしょう。

 

広告宣伝費として計上される典型的な粗品と言えば、キャンペーンなどの販促目的で配布されているポケットティッシュなどがあります。

 

これは、社名を印刷することによって宣伝効果が期待できるマーケティングの一つとなりますし、配布するものがタオルだったとしても、こういう配布形態なら、購入費用は広告宣伝費の勘定科目にするのが妥当です。

 

あるいは、社名入りのタオルをたくさん作成し、それを街頭で粗品として配ったり取引先への挨拶回りとして持参したという場合には、企業ごとの判断にゆだねられることになります。

 

部分的に広告宣伝費と接待費に分割してもOKですが、そこまで細かく仕訳しなくても、街頭で配る粗品目的でタオルを作ったのなら広告宣伝費に仕訳するのが良いですし、取引先の挨拶回りとして持参したものが余ったので店の前でいくつか配布したという程度なら、接待費として仕訳をしても問題はないでしょう。

 

分かりやすくザックリ区別をするなら、挨拶回りでも取引先など他の企業へ渡すものなら勘定科目は交際費と仕訳することができ、一般の消費者へ渡すタオルなら広告宣伝費と仕訳するという方法がおすすめです。

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